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第10話 ページ11

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目の前に無惨に横たわる彼の後始末をしようと思えば、インカムがピッ、と鳴った。

『はい、こちらAです』

〈os「Aちゃんお疲れ様〜!監視室に来るめぅ〜」〉

『オスマンさん、お疲れ様です。あの、まだ後始末が終わっていないのですが...というか、ちゃん付けやめてください』

〈os「あ、やっぱりバルコニーに来るめぅ〜!」〉

『...はい』

駄目だ、この人、全く聞く耳を持ってくれない。
でも...なるほど、今日はオスマンさんが視ていたのか。

そう、私が仕事(拷問)をするときは、ロボロさんではなくオスマンさんか書記長に監視室に居てもらっている。理由は簡単...城内だけでなく、地下牢にも監視カメラが設置されているから。
ゆえに、私が仕事をする際は、私が女であることを容認している人が監視室にいる必要があるわけで。

ふぅ、と息をつきながら階段を上る。
総統が私の為に設置してくれた、監視カメラの死角にある御手洗でウィッグをつけ、”A様”に戻る。
...よし、バルコニーに向かおう。







os「A、お疲れ様めぅ〜!」

バルコニーに来れば、ニコニコしながらテーブルにアフタヌーンティーセットを用意するオスマンさんがいた。

『いえ、オスマンさんこそ、外交などでお疲れでしょうに...』

os「疲れてへんよ!あと、俺がAと一緒にお茶会したいって思っとるんやで?紅茶淹れるから座るめぅ〜」

『...では、お言葉に甘えて』

そう言って席に座れば、彼は満足気に微笑む。
...相変わらず、お菓子のセンスがずば抜けているなと思う。毎回同じようなテイストにならないようなそのセレクトには、こちらが申し訳なさすら感じるほどだ。

os「さっきの話は俺がグルッぺンに言うとくから、気にせんでええよ」

紅茶美味しいです、と言おうとすれば、先に口を開いたのは彼だった。
”さっきの話”とは、拷問でスパイが吐いた情報の事を言っているのだろう。

『...いえ、責任を持って僕が話しに行きます』

os「Aちゃん(・・・)には、休んでてほしいなぁ〜」

『ちょっと?!誰かに聞かれたらどうするんですか?!ここバルコニーですよ!』

os「やめて欲しいんやったら、部屋で休んでてくれへんとなぁ〜?」

そう言って、ニマニマと微笑むオスマンさん。
嘲笑うような表情も、美しく思えてしまう。
...本当に、彼には敵わない。

『...よろしくお願いします』

観念してそう言えば、彼はまた、満足気に微笑んだ。

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作品ジャンル:恋愛
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_ - 好きです、この作品を作ってくれてありがとうございます (2023年1月30日 21時) (レス) @page6 id: 029def3e61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Suu | 作成日時:2023年1月24日 9時

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