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重岡side
「やっぱここええ匂いやなぁ！」
「……ん、そやね」
どうしたらいいか分からへんくて、明るめに振る舞うけど、神ちゃんは困ったように笑うだけ。
あの後、ぐすぐす泣いてる神ちゃんを落ち着かせて、結局俺と、流星と神ちゃんでやってきた。
「とりあえず座ろっか、」
流星も探り探りなのが見て取れる。
神ちゃんを挟んで、ふかふかのソファに座った。
何から始めようか、なんて言おうか。なんて聞こうか。神ちゃんを傷つけず、負担にさせないように、聞くには。
「食べたら太る、って思わへん？」
頭の中でグルグル考えているうちに分からなくなっていたら、結局最初に声を発したのは神ちゃんやった。
「いや、まぁ…そりゃ食べ続けたらそうかもしやんけど…適度に運動とかしたら変わらへんやろ」
そう流星が、神ちゃんの目を見つめて言った。
何かを透かしてそう、流星。
「そ、やで。動いとったら消費されるわ！」
俺も慌ててそう言った。
「……変わらん、から辛い」
「ん？」
俯いた神ちゃんと、低い声で、一言「ん？」と言った流星。
ここは俺の出る幕やなさそう。
次の言葉を考えてんのか、なかなか声を発さない神ちゃん。
今までじっと前のめりで神ちゃんの方を見続けていた流星も、ふぅっと息を吐いて前を向き、背もたれに寄かかった。
あぁ、本格的に俺の出る幕ないやん。
ってか何すればいいか全然分からへん。
ただ流星と神ちゃんを交互に見るだけ。
……流星より細いやん、神ちゃん
俺よりも、やけど。
ずーっと下を見続ける神ちゃん。
何が言いたいんやろう、何を訴えたいんやろう、何を俺らに伝えようとしてんのやろうか。
分からへん。いっぱいいっぱい考えても、どうしても分からへん。
そんな俺が、もどかしい。
不意に流星の腕が動いた。
そして、両肘を膝にくっつけて頭を抱える神ちゃんの、細くなった背中をポンポン、叩いた。
「…………言いづらい？」
流星の手が神ちゃんの髪に移る。
「それとも、なんて言ったらいいか分からへん？」
優しくそう問う流星。やけど、神ちゃんは何も答えへん。
「……なんとなく、なんとなくやけど、何が言いたいかわかる、俺」
「……たぶん、みんなもやけど」
「……でもな、俺ら、神ちゃんの声で聞きたいねん」
「弱音、辛い、無理、嫌、全部」
流星がそう言うと、神ちゃんの肩が上下に動いた。
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colorful(プロフ) - 桃りんごさん» すごく嬉しいコメントありがとうございます！同じ話を別視点で書いているのですが、そのせいで1つのストーリーがめちゃくちゃ長くなってしまうのかなぁ…分かりにくいかなぁ…と思っていたところでした(笑)そう言ってくださって嬉しいです！ありがとうございます♪ (2020年1月5日 0時) (
レス) id: 81f85c10a3 (このIDを非表示/違反報告)
桃りんご - めちゃめちゃ面白いです！表現が上手くて凄い分かりやすくて最高です(笑)これからも更新楽しみに待っています！ (2020年1月4日 19時) (レス) id: 0721983257 (このIDを非表示/違反報告)
colorful(プロフ) - ゆのさん» リクエストありがとうございます！了解です(´◇｀)設定等ご希望ありましたらいつでもお知らせください！ (2019年11月30日 8時) (レス) id: 81f85c10a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの - 楽しみに読ませて頂いています！「ありがとうでいいから」のエピソードにあった照史くんの食中毒の時のお話が読みたいです。もしリクエスト大丈夫であればお時間ある時に書いて頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします！ (2019年11月30日 7時) (レス) id: e3fbf7b6ee (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - colorfulさん» ありがとうございます！ (2019年9月24日 7時) (レス) id: 8b470e4b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miracle | 作成日時：2019年8月3日 0時
