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捨話 ページ12

「私が4人に覚えてもらったものを『歌ってみた』として投稿させてもらいまーす!」

私たち4人をみた姉は楽しげな様子でこう叫んだ。

意味がわからない私たちに、Aは、「つまり、昨日送った歌を歌って、動画として投稿するって訳!」と付け足す。

「じゃあ、順番で呼んでくからここで待っててね!まずはドロシー!」

「え、僕?」と驚くドロシーの手を引いて隣の部屋に入る姉と、テーブルの上のペットボトルを指差して「好きに飲んでていいよー」と言って後を追うように同じ部屋に入ったA。

とりあえず、椅子に座りテーブルを囲んで今度のグランプリへの作戦会議を行うことにした。

きっと彼女らは実力を見せつける為に、私たちとの一騎打ちにすることが予想できる。

どうすれば彼女らの、彼女らのファンの期待をいい意味で覆せるか。

あれから大体1時間経った頃。

ちょっと、疲れた様子のドロシーが「次レオナねー」と言いながら出てきた。

「どんなことをしたの?」と尋ねると、答えようとしたドロシーの声を遮るようにAが「それは自分の時のお楽しみ!」と言う。

レオナ、あろまと続き、私の番がきた。

入った部屋には綺麗に並べられた沢山の機械。

「凄い……」

思わず呟くと楽しそうに2人は笑う。

「ありがと!この子たちは今から使うんだ〜。じゃあ、そこに立って、これ付けてね!」

Aの言う通りに、マイクの前に立ち、重厚なヘッドホンを受け取った。

「まず、音源流すからそれに合わせて一回軽く歌ってみて!」

姉の言葉を聞いた後、ヘッドホンを当てるとあの歌の最初メロディーが聞こえた。

その音に合わせて出だしを歌い始める。

ライブやレッスン以外の場所で歌うのは初めてだった。

歌詞に自分の気持ちを重ね、紡いでいく。

歌い終わると、感心したようなAから、いくつかのアドバイスと、良かったところを教えてもらった。

そして、私の方を見てニヤリとしたみくるが一言。

それを聞いた私は思わず目を見開き、Aは笑いながら肯定した。

そっか。だから歌詞に共感できたし、自然と曲に自分を重ねていたのか。

届けるように、そう思いながら歌うといつもよりも楽に声が出せた気がする。

夢中で全ての音源を撮り終えた。

「はーいこれで終わり!ほかの3人に来てって言っといて」

こうして、私たちのtwitter、ニコニコ、youtubeのアカウントを作り、歌い手名も決めた。

次の朝。

「ねえ!みれぃ!ちょっとこれ見て!」

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kaoruumi - この小説の続きが読みたいです、結構好きです (2022年12月29日 23時) (レス) @page13 id: a3f0b979cf (このIDを非表示/違反報告)
真歩路(プロフ) - Mahoさん» え?マジですか??嬉しいです〜。更新遅いですけ待っててください! (2018年8月21日 17時) (レス) id: c4fa7f7861 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - この小説しゅき (2018年8月21日 5時) (レス) id: 2ec5e76728 (このIDを非表示/違反報告)
真歩路(プロフ) - さよならだけどさよならじゃないさん» こんな駄作をみていただきありがとうございます、、!亀更新ですが宜しかったら楽しみにしててください(^O^) (2018年8月1日 19時) (レス) id: c4fa7f7861 (このIDを非表示/違反報告)
さよならだけどさよならじゃない - 続きがめちゃくちゃ気になるぅぅ!! (2018年8月1日 19時) (レス) id: 63e6d5f92e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真歩路 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年7月7日 23時

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