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センパイ。_by真歩路 ページ1

「年下なんかじゃダメなんですか……?」

空虚に独り言が消えていく。

唐突だけど私には好きな人がいる。

一つ上で小学校に入る前からの幼馴染。

その頃は、年の差なんて気にもしていなかったし、どちらかと言ったら生意気だった私が振り回していた。

しかし、中学、高校と進み、今。

高校の卒業式で、それは嫌と言うほど感じている。

在校生として出席しているこの式典は、ついに全卒業生の名前が読み上げられるところにきた。

「一ノ瀬彼方」

「はい」

式場に出会った頃とはまるで違う凛々しい声が響く。

そう、私の好きな人は今日、ここを巣立って
いく。

先輩と同じ高校に入りたいが為に必死に受験して、
挨拶する為に偶然を装って待ち伏せしてみたり、
さりげなくアピールしてみたりもしたっけ。

釣り合わないのは知ってたけど、少しでも近付いて、そしたらもっと気持ちが高まって、明日も頑張ろうと思えた。

もしも、私が先輩と同じ学年だったら、先輩と隣の席になれて、あわよくば君の恋人になって。

なんでそうじゃないんだろう。
今すぐにでも、私を好きになってよ。

私はずっと先輩が好きだったのに。

先輩にも好きな人がいる。

一途なところは可愛らしかったけど、私の入る隙間はどこにもなくて。

嗚呼、私の好きな人、先輩じゃなければよかったな。

代表の人と同時に礼をする先輩に心からそう思った。

堂々とした頼もしい背中に、あの頃の女子のような先輩はどこにもいないんだ。

。→



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作者名:2018、11、03 x他2人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年11月3日 21時

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