私の話 ページ8
阿部さんがしっかりとこっちを見て
大きな目を輝かせている
そんな期待しても、こんな話に価値なんてないのに
そんなことを思いながら
A「felicitàってブランド分かります？」
阿「知ってるよ！！超有名ブランドじゃん！」
阿「俺の先輩の衣装とかやってたりするよね！」
なんて興奮してる阿部さん
A「私、そのブランドの1人娘なんです。」
A「こんな奴が？って思いますよね、でも、その肩書きがあるから、友達なんて出来たことがなくて」
A「同じ高校の子に話しかけても、バカにしてるとか、見下してるとか言われちゃって」
A「親は私の話なんて聞けないくらい忙しくて、それで、少しの自由を求めて夏はこっちに来たんです。私ももう東京に居るのが疲れちゃって」
A「高校までは私の自由、でも、ここからはもう敷かれたレールの上。だから阿部さんがキラキラしているの凄く羨ましいです。夢が詰まってるっていう感じで」
そんな話をすると
阿「俺はさ、そういう跡取りとか難しいことは分からないけど、もしAちゃんがその代表になって俺の衣装プロデュースしてくれたらそれこと俺ら運命じゃない？」
阿「確かに敷かれたレールからはみ出すのは凄く勇気がいるし、全てを投げ出しちゃえとかは俺は無責任に言えない」
阿「でもさ、目標を作ることは俺ならできるよ？」
阿「俺はデビューして、有名になる」
阿「だからさ、Aちゃんは俺の衣装プロデュースをすることを目標にしてくれると嬉しいなーって」
確かに逃げ出す勇気は私には無い
でも、そんな私に目標を…なんて言ってくれたのは阿部さんが初めてで
私も頑張ってみようかな
そんな勇気が出てきた
そう言えば聞き忘れてた
そう思って
A「阿部さんってなんて言うグループなんですか？」
そう聞くと
阿「だーめ！いつかさ、あ！阿部さんだ！ってなった方が面白そうじゃん？だから内緒！」
なんて笑う阿部さんはいたずらっ子のような顔をしていた
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年7月14日 17時
