圧倒的な存在感 ページ28
あんなことがあった私の胸は
ドキドキが収まるわけなくて
少しでも落ち着かせるために舞台裏に来た
'関係者 デザイナー'という名札をぶら下げ
周りのスタッフさんに挨拶をして
自分のデザインした服のランウェイを見る
やはりラウールさん以外の方々も
凄く素敵な服を着ていて
まだまだ自分は上に行ける
自分の力不足さを痛感した
見惚れていたらとうとうラウールさんの番
モニターには
モデル ラウール
デザイナー A
自分の名前があんなに大きく出たことに驚き
ステージを見ていると
やはり、さすがとしか言いようのないステージだった
ラウールさんしか持っていない独特の雰囲気
まだ幼さが残るラウールさんなのに
そんな幼さなど微塵も感じない堂々としたランウェイ
やはり、ラウールさんは凄い
周りのお客さん達も
かっこいいとか
息を飲んでいる人もいるみたいで、本当に心を奪われた
服のことをかっこいいなど褒めてくださる方もいらっしゃって、凄く凄く色々なことを得られた
ランウェイ終わりのラウールさんに駆け寄ると
ラ「あ！Aさん！！終わっちゃいました…笑」
ラ「僕、かっこよかったですか？！」
って聞いてくる姿はまるで大型犬のようで
さっきのステージでの姿が嘘みたい笑
A「物凄く素敵でした！！お疲れ様です！」
そう伝えると
ラ「ありがとうございます！！笑」
その笑顔は無邪気な笑顔で
ついつい頭ナデナデしたくなっちゃうよ笑
そんな気持ちを抑えて少し話していると
ラ「あ！！はやくパフォーマンスにうつらなきゃ！笑」
ラ「Aさんもパフォーマンスの感想聞かしてくださいね！！」
そういってパタパタと駆け出すラウールさん
急に止まってこっちに戻ってくるラウールさん
何か忘れ物かな？って思っていると
私の耳元で
ラ「僕じゃない人に夢中かもね？笑」
なんてことを言ってくるもんだから
私は全てを見透かされているようで
少し怖かった笑
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作者名：さくら
| 作成日時：2021年7月14日 17時
