夏なんて嫌いだった (ページ2)

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自分の未来ページ2

そんなことを知ってるのか知らないのか

分からないけど、おばあちゃんは優しかった

お「いつまでも居てくれて構わないんだけど、どうせ夏だけなんでしょ」

お「ならいっぱい、自由に過ごしなさい」

そんなことを言って貰えて

私は今ひと夏の自由を手に入れた

でも、私の手には服飾関連のワーク

これだけは置いていくことか許されなかった

一日に来る親からの連絡

母親今日も勉強してるんでしょうね

母親高校卒業したらイタリアに行くんだからあまり羽目を外さないように

高校までは自分の行きたいところに行ける

それが昔からの言いつけだった

服は嫌いじゃない

嫌いじゃないけど、親の言いなりが嫌だった

でも、自分にそれ以上の価値もない

だから私はイタリアに行く

そのゴールは決まっている

最後の自由な夏

段々と周りが暗くなってくる

おばあちゃんの家に帰らないと

ここは東京とは違うから

暗くなると本当に周りが何も見えなくなる

川のすみに何故かある屋根付きの木でできた机と椅子

そのお気に入りの場所から立ち上がり

自転車に乗ろうとしたら

『忘れ物、大事なものじゃないの？』

そんな声が聞こえた

声の方へ目を向けると

知らない人が

手には私のワーク

無意識に置いていこうとしてたのか

そんな自分に呆れて

A「あ、ありがとうございます…」

そう言ってその人の顔を見ると

『そんなに見ないでよ笑』

端正なお顔

ついつい長く見てしまっていたみたいで

A「あっ、すみません…」

少し不思議な空気になってしまった