シューズを履いて

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〜宮近side〜








『ねぇ！イカ焼き食べたい！！焼きそばも！りんご飴も！！』









俺の横で目をキラキラさせて色んな屋台を見るAちゃん。









多分松倉は今日俺とAちゃんが一緒に花火大会に来てる事は知ってる。









正直今日は会いたくない。
どんな顔で松倉に会っていいか分からない。









でも逆に俺とAが2人で歩いている所を見せつけたい。なんて思ってしまう自分もいる。









『ねぇちゃかくん！フライドポテト半分こしない？』








右手にりんご飴
左手には焼きそばを持ったAちゃんが俺の顔を覗き込む。








「よく食べるね(笑)いいよ。半分こしよ」









そう俺が言うと ほんと？やったー！ なんて小学生のように喜ぶAちゃん。









『やば！このポテトめちゃくちゃ美味しい！』









「まじ？1本ちょーだい」









俺が口を開けると恥ずかしそうに1本口に入れてくれるAちゃんが愛おしくてたまらない。








『そろそろ花火だね！楽しみ〜！！』









「だね。俺もめっちゃ楽しみ」









花火が見える場所に移動しようとした時少し前に見たことある背中があった。









多分松倉だ。
しかもその横には女の子。









やばい。
あの光景をAちゃんが見たら。










そう思った時にはもう遅かった。









『...海斗』







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