友人の遺言通りに救う側の人間になります。

28話 ページ29

「うわあ！」



作と誰かがぶつかった。



作はなんともなかったが、青年はバランスを崩して尻餅をついた。

手に持っていた荷物が地面に散らばった。




「君、なにするんだい！前を見て歩かなきゃダメじゃないか！そんな高い処に目があるなら、前を見るのは得意だろ？あーあ、社長に貰った探偵道具が……」



俺達は作がぶつかってばらまいてしまった荷物を拾うのを手伝った。

記録紙、写真機…確か彼は…


織田作「あんたは警察か？」


「警察ぅ？」


心底嫌そうな顔をしている。


「あんな無能連中と一緒にされちゃ困るよ！
僕こそは世界最高の名探偵、江戸川────」



織田作「すまなかった」



『悪かったな少年』



俺達は先を急ぐために青年のセリフを途中で遮った。



先を急いでいるからだ。


「おいおい、愚か者だねぇ君達、この名探偵と対話できる機会を逃すなんて！
私の能力をみればそゆか無下にはできなるなるよ！
疑うのから見せてあげよう。
そうだな、君達が急ぐ理由は────」



陽気な尊大な青年はからから笑って



俺達をじっとみた。



「君達は───」




この青年は言い当てたんだ。


俺達が




「悪い事は云わない。目的地に入ってはいけない。
考え直すべきだ」



織田作「何故だ？」


『どうしてだ？』



「だって、行ったら君達…………………………………



















死ぬよ？」



作は新しいタバコに火をつけた。





うん。
知ってるよ





織田作「知っている」



作は先に歩いて行く。




『ありがとう未来の名探偵さん
けどコレは、俺達がやらなきゃ駄目なんだ』



そう云い俺は作の後を追いかけた。

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