過保護教育 ページ24
「いったぁ」
倒れていた身体を起き上がらせる。頬がじんじんして痛い。確か、野薔薇が誰かに撃たれて、私も野薔薇に手を伸ばした瞬間に撃たれた。
してやられた。勝利が見えた瞬間から油断していた。まだまだ未熟だ。これでは旦那様に顔向け出来ない。
未だに眠る野薔薇に私の学ランをかける。私は下にパーカーをきているから脱いでも大丈夫だ。刹那、ゾワリ。悪寒が体を駆け巡った。これは、呪霊。しかも特級レベルの。おかしい、交流会で出すレベルじゃない。
……侵入者?
「A!野薔薇!」
「う、んぅ」
「真希先輩」
先輩もこの異様な空気を察したようだ。辺りを警戒しながら私たちと合流した。と、野薔薇の意識も戻ったみたいだ。ゆっくり目が開かれ、上空の異変に声を漏らした。
「なに、これ」
「帳が下りた」
三人で顔を見合わせる。確定、高専内に侵入者が入った。
「とりあえず行くぞ。私は向こう、お前らはそっち方向に向かえ」
「私も真希先輩に着いていきます」
「ダメだ」
「でも!そっちには悠仁が、」
「ダメだ。どんな敵がいるかわかんねーんだ。お前は野薔薇といろ。もう呪力も殆ど残ってねーだろ。かっとばしすぎだ」
「………分かりました」
呪力が殆どなくなっているのは事実だから言い返せない。
「行くぞ」
「はい」
私は、弱い。奥歯を噛み締めて、真希先輩の背中をみつめる。何故、あんなに頼もしく見えるのだろうか。
「私たちも行くわよ。あと、学ランありがとう」
「うん」
野薔薇が私に学ランを羽織らせる。
「ほら、落ちこんだ顔しない。虎杖も生きてるわよ」
アイツしぶとい性格悪してんだから、野薔薇は笑う。
「私たちは私たちの出来ることを考えましょ」
「うん」
「てか、アンタってたまに彼氏みたいなことサラってするわよね。学ランかけてくれたりとか」
「え、いっつも悠仁がしてくれるから皆することと思ってたんだけど」
「それはアンタ限定でしょ。ほんと、虎杖ってAに過保護よね」
「そんなことないと思うけど」
「あるわよ」
「うーん、言われて見れば……真冬に外で居眠りした以来から過保護に磨きがかかったような…」
「絶対それでしょ」
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lala - 宿儺と夢主との愛がもうなんというか美しすぎてほんとに好きです……歪んだ愛そのものを表しているかのよう…そして何より文の作り方がお上手でとても読みやすかったです。更新楽しみにしております。無理はなさらないよう頑張ってください! (2022年1月24日 2時) (レス) @page48 id: d69b352aad (このIDを非表示/違反報告)
ジョリ - 2人の愛とか、夢主ちゃんの思いやりとかで泣きそうになりました。更新楽しみにしています(╹◡╹)無理の無いように頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年1月9日 20時) (レス) @page48 id: aa78d32f78 (このIDを非表示/違反報告)
優月(プロフ) - この作品とても大好きです (2022年1月9日 18時) (レス) id: 2ec0497ee9 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 83EPHNUQX3O3FI8さん» コメントありがとうございます。不快な思いをさせてしまっていたら申し訳ありません。直ぐに修正します。 (2021年12月19日 13時) (レス) @page40 id: 125efbe70f (このIDを非表示/違反報告)
83EPHNUQX3O3FI8(プロフ) - この小説で宿儺の株が上がりました。あと、未亡人って差別用語だと思います。 (2021年12月19日 2時) (レス) @page48 id: 5b2f0bd76c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年1月17日 16時