怒髪衝天 ページ22
「にーしみーやちゃーん。あーそーぼっ。……あれ、Aじゃん」
「悠仁は無事？」
「死んでないみたいだぞー」
ひとまず安心。真希先輩の命令の元、野薔薇と合流した。野薔薇と私は三級、戦闘の経験はあちらの方が積んでいる筈だから、確実に勝てるようにしたか、私が人を殺めないようにするためか。悠仁生きてるから殺さないって。……半殺しにするだけ。
「ねえアンタ。そっちのジジイから虎杖殺すよう言われたでしょ」
「え…何そソレ」
「別に隠さなくていいのよ。私だって殺す気でやるし。特にアイツ。真依とかいう真希さんの出涸らし」
「はぁ？」
呪術師の顔つきが変わった。いかにも不快そうな顔だ。私も、不快だよ。お前が仲間を貶されて怒るように、私も大切な人が奪われかけたんだ。せいぜい噛み締めてろ、その不快な味を。
「……私も、お前ら全員殺す気で行くから」
「……あなた、紗南さんの娘らしいけど。あなたまで呪いを仲間だと勘違いしてるなんて、紗南さんが聞いたら悲しむわよ？」
「あ？」
お前が、悠仁の何を知っている。悠仁の中にいる旦那様の何を知って、私に説教垂れてるの？母さんが悲しむ？は、
「どうでもいいけど」
「は？」
「母さんが草葉の影で悲しもうがどうでもいいって言ってんの」
「あなた、それが紗南さん、母親に対する言葉なの？」
「あの人が私に母親として接した時間なんてほんの僅か。急に記憶だけ流されても気持ちなんてついて来ないでしょ。確かに私はあの人に術式を教わった。でも、私はあの人の跡を継ごうだなんて思ったことない」
私は、いつでも私が大切なモノを守るために、この力を使おうと思った。そこに母さんは関係ない。これっぽっちもね。
「あんたマジギレね」
「野薔薇だってキレてんじゃん」
「まあね」
さあ、どう地面に引きずり落とすかだ。野薔薇が呪術師を煽っている間に考えなければ。向こうは空中戦、こちらは空を飛ぶ術はない。私が術式で鳥を作ればどうにかなるが、生き物は無機物以上に呪力をくうし、扱いが難しい。私の限界が来るのが格段に早くなるのは避けたい。
「おっ」
「パンダ先輩！！」
「呪骸だぞ。死にはしないさ」
パンダ先輩が倒れ、メカが登場する。増えた。ペッパーくんだっけ。宮城では銭湯くらいでしか見かけたことがないけど、もうちょい可愛らしい見た目をしていた気がする。
「この一年は私がカワいく叩き直す」
……返り討ちにしてやるよ。お前らが悠仁にした分、きっちり。
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lala - 宿儺と夢主との愛がもうなんというか美しすぎてほんとに好きです……歪んだ愛そのものを表しているかのよう…そして何より文の作り方がお上手でとても読みやすかったです。更新楽しみにしております。無理はなさらないよう頑張ってください！ (2022年1月24日 2時) (
レス) @page48 id: d69b352aad (このIDを非表示/違反報告)
ジョリ - 2人の愛とか、夢主ちゃんの思いやりとかで泣きそうになりました。更新楽しみにしています（╹◡╹）無理の無いように頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年1月9日 20時) (レス) @page48 id: aa78d32f78 (このIDを非表示/違反報告)
優月(プロフ) - この作品とても大好きです (2022年1月9日 18時) (レス) id: 2ec0497ee9 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 83EPHNUQX3O3FI8さん» コメントありがとうございます。不快な思いをさせてしまっていたら申し訳ありません。直ぐに修正します。 (2021年12月19日 13時) (レス) @page40 id: 125efbe70f (このIDを非表示/違反報告)
83EPHNUQX3O3FI8(プロフ) - この小説で宿儺の株が上がりました。あと、未亡人って差別用語だと思います。 (2021年12月19日 2時) (レス) @page48 id: 5b2f0bd76c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年1月17日 16時
