次は、私が君を ページ17
「あの〜これは見方によってはとてもハードないじめなのでは？」
「悠仁……死んでたんだからそりゃこうなるよ」
「うるせえ、暫くそうしてろ」
正座をさせられる私と悠仁。悠仁は遺影の額縁を持ってるからもっと酷い。誰が用意したんだ。
悠仁はいつでも緊張感がない、人見知りしないとも言える。もう空気に溶け込んでパンダ先輩と言葉を交わしている。
「で、どーするよ。団体戦形式はまあ予想通りとして、メンバーが増えちまった。作戦変更か？時間ねーぞ」
「そりゃ悠仁次第だろ。何が出来るんだ？」
「殴る、蹴る」
「そういうのは間に合ってんだよなー」
「え、」
ショックを受ける悠仁に、伏黒が声を上げる。確かに、呪力なしの肉体戦で悠仁に勝てる人など一握りしかいない。それに、悠仁は五条に鍛えられている。前よりもずっと強くなった筈だ。ニヤリ、真希先輩が不敵に笑った。
「そーいえば、今日髪括ったんだな！可愛くなってる」
「ありがと、真希先輩がしてくれた。悠仁も男前になったんじゃない？」
「そう？言われると照れるなー」
うん、元気。ぽりぽり顔を掻いて照れくさそうに悠仁は笑った。変わらない、悠仁の本質は変わってない。あの悲痛な叫びをもう聞きたくないと身勝手に思う。旦那様も大切だけど、君も大切なんだ。笑ってほしいと願うのは当たり前。
するり、悠仁の目元を撫でた。
「……今度は死なないでね」
「応！任せろ」
「次は、私が守るから」
もう、君を呪術師なんかに奪わせたりしないから。……心臓を取ったのは旦那様だけど。まあ小さな事。
「……Aは、俺が本当に死んだらどうするつもりだった？」
キョトン、不意を突かれた。そんな事聞かれるとは思わなかったから、言葉の咀嚼に少し時間がかかる。悠仁が死んだら？そんなの決まってる。
「悠仁を殺した呪術師全員殺して、旦那様の指を探しに行こうって思ってた」
「は？」
「だって、旦那様も悠仁もいないのに此処にいる意味なんてないじゃん」
困惑、こんな顔の悠仁を見れるのはなかなかない。思わずまじまじと見た。私にとって殺すとはあまり深い意味を持たない。前世では死体なんて珍しい物ではなかった。
「命の価値は随分と重くなったんだね」
理不尽な命の搾取は禁止された。皆平等な世界。
「でも、悠仁が私に言葉を残すから」
「……ああ、あれ」
「うん、あれ。だから止めた。殺したら、野薔薇たちの側にはいれないし、」
それに悠仁、生き返ったから。
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lala - 宿儺と夢主との愛がもうなんというか美しすぎてほんとに好きです……歪んだ愛そのものを表しているかのよう…そして何より文の作り方がお上手でとても読みやすかったです。更新楽しみにしております。無理はなさらないよう頑張ってください！ (2022年1月24日 2時) (
レス) @page48 id: d69b352aad (このIDを非表示/違反報告)
ジョリ - 2人の愛とか、夢主ちゃんの思いやりとかで泣きそうになりました。更新楽しみにしています（╹◡╹）無理の無いように頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年1月9日 20時) (レス) @page48 id: aa78d32f78 (このIDを非表示/違反報告)
優月(プロフ) - この作品とても大好きです (2022年1月9日 18時) (レス) id: 2ec0497ee9 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 83EPHNUQX3O3FI8さん» コメントありがとうございます。不快な思いをさせてしまっていたら申し訳ありません。直ぐに修正します。 (2021年12月19日 13時) (レス) @page40 id: 125efbe70f (このIDを非表示/違反報告)
83EPHNUQX3O3FI8(プロフ) - この小説で宿儺の株が上がりました。あと、未亡人って差別用語だと思います。 (2021年12月19日 2時) (レス) @page48 id: 5b2f0bd76c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年1月17日 16時
