前世は両面宿儺の妻だった。２【呪術廻戦】

勉強会【※頭空っぽにして読んで下さい】 ページ15

「そーいえば、Aっていっつも古文のテストとか満点だったよな」


・


その一言から始まった古典の勉強会。もっと遡れば、野薔薇が古典のテストで悲惨な点数を取ったことからだった。


「なんでこうなるのよ！大昔の人間の恋愛なんてどうでもいいじゃない！」
「まーまー落ち着いて」


四つの机を集めて、身を寄せ合う。


「源氏物語とか変態の男の話でしょ！」
「あ、分かるー。私もリアタイで読んだけどちょっと引いたもん」
「アンタこれリアタイで読んでんの！？」


世話係が物語を読むのが好きでよく読んでくれた。今思えば子供に読むにはドロドロしすぎている気がする。


「Aも和歌とか書いたことねーの？」
「あるけど……あんまり才能はなかったかな」


しかも私より旦那様の方が上手かった。


「へーどんなの？」
「………忘れた」


万葉集を読んだら私の歌がどれだけ才能がないかよく分かる。マジ凹んだ。


「それは悲しいな」
「おい、勝手に出て来んな」


ああ゛本人が来てしまった。


「あんなに愛を綴った和歌を忘れるとは……思い出させてやろう」
「旦那様、それだけは」
「え、なになに教えて！」
「そーだな。おい小僧、その本を捲れ」
「ん？この参考書？」


野薔薇が持ってきた参考書を捲る悠仁。さっきまで野薔薇が使っていたから開き癖が付いている。私は古典の参考書や教科書はあまり読んだ事がない。なんか人のリアルでドロドロした恋愛を覗き見ているようで読んでてあまり良い気はしないのだ。たまに知り合いいるし。


「ああ、そこだ」
「……これ」
「………アンタ、本当に旦那の事が好きね」
「……は？」


急いで本を覗き込む。あ、見覚えっていうか、書き覚えがある。これは、



現代風和訳)朝日に照らされる旦那様はカッコいい！明日も明後日もきっとカッコいい！貴方への愛で私の世界は輝いているのね


コメント)熱烈な愛を語っていますね。きっとこの歌を書いた人は女性で、旦那様のことを愛してやみません。



「…………」
「著作権んんん！」
「一応これを書いたAは死んでるから無効だと思うぞ」
「あれ、もう一個ある」



現代風和訳)今日も妻が愛しい。笑う顔はまさにどんな物より美しい。お前の為ならこの世界を手に入れてお前に贈ろう。


コメント)相思相愛です。



「旦那様…！」
「ケヒッこういう形残るとはな」
「愛してます」
「知っている」



「はーーバカップルが。おい！焼肉行くぞ！」
「おーー！」

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