グッピーも風邪ひいちゃう ページ39
「つまり、前世が両面宿儺の妻で記憶を持って生まれて両面宿儺の為に生きてるって事?」
「まあそんな感じ」
五条達にしたように前世を説明する。釘崎さんはコロコロ表情が変わるので、話し甲斐があった。
「……アンタよく結婚しようと思ったわね」
「よく言われる」
何故だ、旦那様は何処からどう見ても素晴らしいだろう。まあ、私だけが知っていればいいから黙っておく。
「僕も初めて聞いた時はビビったよ。なんせあの両面宿儺に人を愛する心なんてあったんだから」
「そーそー、こいつら俺の体でいつまでもイチャついて」
そこには触れるんじゃない。未だに思い出したら恥ずかしいんだ。
「Aは一体宿儺の何処を好きになったのよ」
「全部」
「そーゆーバカップルみたいな答えじゃなくて!私は具体性を求めてんのよ!」
「あ、それ僕も気になる」
「俺も!伏黒は?」
「俺は…別に」
「カッコつけないの。一番気になってるくせに」
「黙ってください」
具体性って、余すとこなく全部好きだから仕方ない。てか、Aで呼んでくれた。普通に嬉しい。
「そーだなぁ…目かな」
「目?」
「うん。初めて旦那様を見た時にあの赤い四つの瞳が綺麗だなってあの瞳全てに映りたいって思って。気づいたら全部好きになってたけど」
「一目惚れしたんだ」
「そ、釘崎さんはした事ある?」
「私はないけど…あ、今苗字で呼んだ!?今からそんな他人行儀でどうすんのよ!いい?私の事は野薔薇って呼んで」
釘崎さんは机に手をついて私と目を合わせる。綺麗な瞳。こんなグイグイ来られた事がないから少し照れてしまう。
「うん。これからよろしく、野薔薇」
「良かったじゃん。名前で呼べる関係になれて。知ってる?Aって小四まで俺しか友達がいなかったからちょー友達作りが下手くそなんだよ」
「なんで言うの!?」
恥ずかしい話をしだす悠仁の口にビフテキを突っ込む。最後の楽しみとして残していたが今はやむ得ない。
「いーじゃん。親睦深まってるじゃない。そのまま四人で仲良くなってよ」
ケラケラ笑う五条。
その日、新たに伏黒と野薔薇のLINEが追加され、寮に戻った。
・
親睦会から暫くして、私は一年全員で行く筈だった任務を休むほど酷い熱を出した。
熱が下がって始めて聞いた話は、悠仁が死んだ事だった。伊地知という男に連れられ、悠仁の死体を見る。心臓が無い。
「Aは悠仁の家族だからね。特別」
五条の言葉が今はとても辛かった。
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ゆうちゃんンンン(プロフ) - コメント失礼します。この作品を作っていただきありがとうございます。大好きですもし良ければなのですが、前世の記憶が無いバージョン?を作って欲しいなと思っています。自分、悠仁と宿儺推しでして、図々しいと思われるかもしれませんが気が向いたら作ってほしいです (8月2日 13時) (レス) @page50 id: f5df7aa05f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 大好きですぅぅ (2022年1月25日 1時) (レス) @page50 id: 639ef9d5fe (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - タイトルがモロ好みで作品も最高でした!最後の蛇足も良かったです! (2021年6月22日 20時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
西 - たまに出る夢主ちゃんのツッコミっぽい口調がとてもおもしろいです。。ありがとうございます。 (2021年3月29日 2時) (レス) id: a86aefda0e (このIDを非表示/違反報告)
宿儺 - 宿儺マジ神かよ♪素敵 (2021年1月20日 19時) (レス) id: c0f52421e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2020年12月19日 15時