意地っ張りなのはお互い ページ31
side.ar
いのちゃんから返信が来たのは次の日だった。
'' ちょっとミスってトーク消えちゃったんだ。もう一回送ってもらってもいい?''
「もう一回って、恥ずかしいよ…」
期待してもいい?なんて回りくどい言い方をしたのが、今更ながらおかしく思えて。
宿題を写させてもらうためにお邪魔していた知念の部屋に寝転ぶ。
すると不意に、テーブルの向こう側から手が伸びて来た。
『ちょっと貸して。』
俺の手から素早く携帯を奪い取り、電話をかけ始める知念。
「おい!なにしてんだよ!」
『なにって、大貴の後押ししてんの。休みの日に目の前でグダグダされるこっちの身にもなってよ。』
往生際悪く、出ないでくれと祈り続けたのも虚しく、もしもしと声が聞こえる。
『あっ僕大貴の友達なんですけど、すぐ代わりますね!』
むりむり!と首を横に振れば、ものすごい剣幕で睨まれて。
観念して恐る恐る携帯を受け取った。
「いっいのちゃん…久しぶり…」
『だいちゃん。漸く連絡くれたね。』
たった2週間なのに、ずっと聞きたかったせいかすごく懐かしく感じる声。
早く謝らなきゃって口を開けば、彼がそれを阻止するかのように喋り出した。
『俺、だいちゃんが悪気ないの分かってたのに責めるようなこと言ってごめん。だけどさ、なんであの後連絡くれなかったの?待ってたんだけど!』
「んな、いのちゃんこそなんでくれなかったんだよ!」
『だ、だって俺が送ったメッセージで終わってたから!連続で送るの嫌だったんだよ!』
な、なんだそれ…
こんなことでずっと悩んでいたのかと思うと、馬鹿馬鹿しくて笑けてきた。
「ふっふふふ…ははははは!ちょ、俺らアホすぎじゃね?!」
『は?!だいちゃんだけでしょ!』
「だ、だってさお互い意地っ張りってことでしょ?小学生かよ…」
五歳児が言うな!って怒るいのちゃんもケラケラと笑っていて。
2週間前の日々が戻ってきたようで嬉しくなる。
『ね、だいちゃん。来週の土曜午前0時、コインランドリー。』
「え?」
『待ってるからね。』
ようやく笑いが収まったと思えば、それだけ告げられて切られてしまった。
来週、土曜日、コインランドリー。
いのちゃんに会えるんだ…!!
嬉しくて人の家だと忘れて大騒ぎすれば、知念に静かにしろと頭を叩かれてしまった。
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とりてん(プロフ) - (名前)さん» 間違えてパスをつけてしまったので外しました!すいません。 (2018年4月10日 23時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 2のパスワード教えてください。 (2018年4月10日 23時) (レス) id: 1240e3c3c3 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - natsuki0808さん» まさか泣いていただけるとは思ってもおらず…達成感でいっぱいです。ありがとうございました! (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - ゆうみさん» そう言っていただけると書く方も楽しくできます!最後まで読んでくださりありがとうございました! (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - 遥華さん» 更新を楽しみに待ってくださりありがとうございました!その言葉がとても嬉しいです。次の作品も楽しみにしてもらえれば幸いです。 (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とりてん | 作成日時:2018年3月20日 0時