募るのは後悔ばかり ページ19
『ひかるが大ちゃんと話したいって。お前らがなんで繋がってるか知らないけど、後でちゃんと説明しろよな。』
そうはにかんだ薮ちゃんから、戸惑いながらも電話を受け取った。
「えっと、代わりました、有岡です。」
『もしもし、八乙女です!薮と有岡くんが知り合いって聞いたからつい。いのちゃんのことで話があるんだけどいい?』
ラジオで聞いた元気な声。
電話越しでもそれは変わらなくて、いのちゃんというワードに鼓動が速くなる。
無言を肯定と受け取ったのか、彼は続けて話し始めた。
『もう気づいてると思うけど…いのちゃんはね、my girlの1人なんだ。』
「っ、やっぱり…」
突然この町に現れた彼。
山田といのちゃんの間に流れる雰囲気。
CDが擦り切れるほど聴いた曲。
思い当たる節は所々にあったんだ。
『あの時はごめん。これ以上仕事を空けちゃうと、いのちゃんの立場も危うくなっちゃうんだ。彼のことだから有岡くんに自分のことは話してないと思って、意地悪な聞き方しちゃったよね。』
本当にごめん、ともう一度謝る光くん。
周囲の同意の上での休みかと思っていたが、まさか逃げるようにこの町に来たなんて。
「ど、どうしてそんな大切なこと俺に教えてくれるの?いのちゃんって顔も名前も隠してるんでしょ?」
『…あのね、俺も今朝知ったんだけど、明後日の歌番組の生放送にいのちゃん出るんだ。』
「えっ?!」
サプライズ出演だから見逃さないように伝えておこうと思って、と続けた言葉は全く頭に入ってこない。
驚きで固まる俺を他所に話は続く。
『それだけじゃなくてさ、最初に電話に出た時、いのちゃんの友達ですって言ったでしょ?』
「うん…」
『俺さ、それ聞いてすっげぇ嬉しかったの。いのちゃん人にあんまり気を許さないし、この世界以外知らないから。友達ができてよかった、本当に。』
じゃあね、と切られた電話。
嬉しいはずのその言葉が、今の俺にとっては自責の念を深めるもので。
薮ちゃんに声をかけられるまで、携帯を握りしめて呆然としていた。
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とりてん(プロフ) - (名前)さん» 間違えてパスをつけてしまったので外しました!すいません。 (2018年4月10日 23時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 2のパスワード教えてください。 (2018年4月10日 23時) (レス) id: 1240e3c3c3 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - natsuki0808さん» まさか泣いていただけるとは思ってもおらず…達成感でいっぱいです。ありがとうございました! (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - ゆうみさん» そう言っていただけると書く方も楽しくできます!最後まで読んでくださりありがとうございました! (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - 遥華さん» 更新を楽しみに待ってくださりありがとうございました!その言葉がとても嬉しいです。次の作品も楽しみにしてもらえれば幸いです。 (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とりてん | 作成日時:2018年3月20日 0時