知らない君と、知られたくない俺 ページ17
side.ym
『ごめんね、山田。圭人も、迷惑かけてごめん。』
俺のマネージャーである圭人の運転する車に揺られる俺と伊野尾ちゃん。
何がって聞かなくても言いたいことは分かる。
テキトーとは真逆の、繊細な心はきっとボロボロだ。
心配そうに、バックミラー越しにちらちらとこちらを見る圭人は気にしないで、と微笑む。
「もう、いいよ別に。ただ俺は、ちゃんと仕事と向き合ってほしいだけ。」
『うん…』
伊野尾ちゃんは、来週からメディアの露出が増える。
正確に言えば、顔が、出てしまう。
彼と事務所の間には、一切の個人情報と顔出しなしという異例の契約が結ばれていたのだが、社長の代替わりと同時に契約内容も変更された。
彼はそのことをとても恐れている。
1ヶ月も行方をくらましていた理由はきっとこれだろう。
「伊野尾ちゃんさ、これからいろいろ大変だけどできるだけサポートするから。困ったことがあったら言って。もちろん雄也や圭人もいるし。」
『うん、ありがと…』
いくら言葉を投げかけても、伊野尾ちゃんはこの町の景色を目に焼き付けるように車窓から外を見ている。
俺の話なんて少しも耳に入ってないようで。
そんなに、この町にいたい？
そんなに、あいつが…有岡がいい？
苛つく気持ちに身をまかせるように、彼の唇にキスを落とす。
やっとこちらを向いたその顔は驚きで目を丸くしていて。
あぁ、ずっと大事にしてきた君が、籠から出てしまう。
独占欲の強い俺にとっては我慢ならない。
キスをした意味を、君は知らない。
キスをされた君を、俺は知られたくない。
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とりてん(プロフ) - (名前)さん» 間違えてパスをつけてしまったので外しました！すいません。 (2018年4月10日 23時) (
レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - ２のパスワード教えてください。 (2018年4月10日 23時) (レス) id: 1240e3c3c3 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - natsuki0808さん» まさか泣いていただけるとは思ってもおらず…達成感でいっぱいです。ありがとうございました！ (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - ゆうみさん» そう言っていただけると書く方も楽しくできます！最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - 遥華さん» 更新を楽しみに待ってくださりありがとうございました！その言葉がとても嬉しいです。次の作品も楽しみにしてもらえれば幸いです。 (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりてん | 作成日時：2018年3月20日 0時
