すれ違いざまの言葉に ページ16
side.ar
上がる息を落ち着かせドアを思いっきり引く。
そこにいたのは半泣きのいのちゃんと、画面越しでしか見たことのない彼がいた。
「や、山田涼介…」
『あんたが ''ありおか''？』
「えっ…なんで俺の名前、」
テレビでよく見る優しい笑顔とは打って変わって、俺をひと睨みした彼は不敵な笑みを浮かべた。
『あんたのおかげだよ、伊野尾ちゃんの居場所が分かったのは。まさかこんな辺鄙な所にアパート借りてるとはね。』
俯き加減だったいのちゃんが勢いよく顔を上げる。
『だいちゃんのおかげって、どういう、こと？』
『光くんが伊野尾ちゃんにかけた電話にこいつが出てさ、ここの場所教えてくれたの。』
ひかるの電話？って不思議そうにこちらを見るけど、気まずくてつい目を逸らしてしまった。
『ねぇ、だいちゃん、どういうこと？ひかるの電話に勝手に出たの？どうして、かかってきたこと、秘密にしてたの？
……なんで、俺の居場所、奪っちゃうの…？』
「な、ちが…っっ」
決して、そんなつもりはなかった。
誤解を解きたくて、俺の言い分を聞いてもらおうとしたが、絶望と拒絶が混ざった彼の瞳に言葉が詰まる。
『…そういうことだから。伊野尾ちゃん、立って。』
山田涼介に腕を引かれてふらふらと立ち上がるいのちゃん。
『そんなのって、あんまりだよ。』
泣きそうなのに、まるで永遠の別れみたく無理に笑顔を作って。
すれ違いざまにつぶやかれたその言葉は俺の心を深く抉った。
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とりてん(プロフ) - (名前)さん» 間違えてパスをつけてしまったので外しました！すいません。 (2018年4月10日 23時) (
レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - ２のパスワード教えてください。 (2018年4月10日 23時) (レス) id: 1240e3c3c3 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - natsuki0808さん» まさか泣いていただけるとは思ってもおらず…達成感でいっぱいです。ありがとうございました！ (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - ゆうみさん» そう言っていただけると書く方も楽しくできます！最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
とりてん(プロフ) - 遥華さん» 更新を楽しみに待ってくださりありがとうございました！その言葉がとても嬉しいです。次の作品も楽しみにしてもらえれば幸いです。 (2018年4月10日 22時) (レス) id: 3eeda2cba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりてん | 作成日時：2018年3月20日 0時
