いちごみるくのように甘く (ページ17)

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彼の存在ページ17

吉澤くんに好きだと言われた。

正直言うと、心の何処かでは分かっていた。クラス委員の仕事を初めてやったあの日、「森田のこと好きなの？」と聞かれた、あの日から。

吉澤くんはわたしのことを好きなんだろうかと。

けれど改めて言われるとやっぱりびっくりして、頭が真っ白になる。

わたしは森田くんが好きだった。でも好きでいても辛いだけで、ずっと苦しかった。

でも吉澤くんに気付かれて、正直彼の存在に助けられたのは確かで、色んなことを話してしまう自分がいることも事実だった。

もう森田くんのことは忘れるのだ。森田くんがああいう人間だということはとっくに分かっていたことだし、昨日の出来事が、本当に、森田くんのことを吹っ切るきっかけになったから。

吉澤くんなら、わたしのことを幸せにしてくれる気がする。

『…信じてもいいの？』

そう言うと吉澤くんはふわっと笑って、わたしをそっと抱きしめた。

吉澤くんの胸板は分厚くて、優しかった。