馬鹿みたいに、好き。

Addiction 03 : 甘い日常 ページ12

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Side of You





『ねぇ、起きてって』


「んん、…」


『早く』


「な、に………っ？！」


『いや、…ちょっとなんか寂しかったって言うか』


「瑞稀……っ、苦しい」


『知らない』





名字が井上になってから早くも１週間。


結婚してから初めての休みの日に


ちょっと不機嫌な彼の声で目が覚めた。


重たい瞼を無理矢理押し上げると


可愛い理由つきで抱きしめられて。


ニコニコしながら彼がカートに入れた


色違いのパジャマを見て


また満足そうに微笑んだ。





『1週間長かった』


「えええ、楽しそうに仕事の話してくれたのに？」


『そうだけど……、ゆっくりできないしAと』


「昨日自分が寝落ちしたことそんなに凹む？(笑)」


『…………別に』




明らかに疲れてたから


先に寝室に行っててって言った後


5分経って私が寝室に行く頃には


もう瑞稀は夢の中で。


せっかくの金曜日だったのにって


本人はかなり不服らしい。




「………瑞稀」


『なに？』


「おはようのちゅーして」


『…っ？！』


「あれ、それとも休日はしないの？」


『いや、違くて…っ』


「ん？？(笑)」


『っ、…早く目閉じろ』


「ふふ、はーい(笑)」




たまに私からこういうのを言うと


いつもなら普通にすることも


かなり恥ずかしがるから可愛い。


短く重なった唇。


離れるとふいっと目線を逸らして


リビングに行っちゃうから


慌ててそのあとを追いかけた。








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