馬鹿みたいに、好き。

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Side of You





『俺、甘すぎるのは苦手なんだけど』


「………そうなんだ」


『だからビターの方が嬉しい』


「瑞稀くん見に来てる子たちに教えてあげるね？」


『教えなくていいし……、ばか』




バレンタインの直前。


意外なことに瑞稀くんは地味にねだってきた。


ここであげたら思わせぶりになるから


あげないつもりだけど


楽しみにしてます感をすごく出されてて


なんか気まずい。





『…………ごめん』


「え、…？」


『そんな顔させたいわけじゃないから』


「う、ん？？」




あまりに私が頭を悩ませていたからか


その場からいなくなった瑞稀くん。


次の日、瑞稀くんは1回も話しかけてくれなかった。


気まぐれかな、なんて思ってたけど


それからも何日も彼が来ない日が続いて。


なんていうか、寂しいじゃないけど


あれだけ毎日来てたのになぁって


違和感を覚えた。





「………私のことなんて、飽きたのかも」





なかなか振り向かないんだもん。


そりゃあ諦めることだってあるだろうし


熱が冷めることだって、あるだろうし。


気づけば明日がバレンタイン。


気にしてなかったはずなのに


何日か前に言われたチョコの好みの話が


ずーっと頭の中で巡った。








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