2人の薬剤師 ページ12
「まぁ、そんな事が…。そうですね、あの鬼は私の事も見透かしているかのようでしたし」
それにしても彼女は異質です。不自然です。闇雲に人を襲うことなければ、私が目前にいようとも鬼舞辻から命令が届いた雰囲気が無かった。
「…もしや、彼女は完全な鬼ではなかったのかもしれません」
「…それは、どういう」
「彼女の父親は流行り病で亡くなったと言っていますが、看病していたのも彼女です____」
「それって____彼女も死んでしまっているのでは…ないでしょうか」
「恐らく」
既に死んだところを地縛霊的な妖怪になっていたのではないかと踏んでいます。
彼女は陽ノ下を歩き、帰って行ったのですから。
「不完全もしくは半鬼だったからこそ、私の毒が致命傷になったのもやしれませんね…頸を斬ったところでどうだったんでしょう」
鬼として生き、人を食べてしまった彼女。捌きは受けるでしょう。
しかし、いつかは報われて欲しいです__
彼女のことで長丁場となりすっかり忘れていましたが
「しのぶさん。青い彼岸花でしたよね」
「はい!」
「それを人間戻りの薬に含ませましょう」
鬼舞辻は陽光を克服するべく、完全体となるべく探し求めていましたが違うと思います。1度投与した薬は効きづらくなったり、効果が薄れるもの________
「そして完成させましょう」
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作者名:翠雨 | 作成日時:2021年10月15日 1時