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記憶 ページ28

「ここに座って」

一室に案内され言われるがままに席に着く



待っ____……正座なんていつぶり?

「手を合わせて」

胸の前で手を合わせ

「「いただきます」」


目の前には空のお膳が並べられている。
____おままごとかな?



「驚いたよね」

「まぁ、うん。でも…大丈夫。最後まで付き合うよ」
自然と笑みが零れる____


「___Aはさ、人の頃の記憶ってある?」

「人の頃の記憶?____」


________思い返してみても猗窩座と出会った時のことしか思い出せない。

「ンー…。」
私は腕を組んで頭を抱え続ける。



「やっぱりそうだよね」

「累にはあるの?」
ハッとなってこたえる


「ない。けどこうして家族といれば何か思い出せると思って」

「…そう感じるなら、それは何か糸口になってるかもしれないね」


________________________縁側で腰を下ろし、星を眺める


「この時間が当たり前になるとはねぇ…」

あ、流れ星____


「____なんで鬼になったんだろ」

「__私、その記憶ならあるよ」

「え____」

累に鬼になった経緯を話すとAは人の頃から強かったんだと驚いていた。


「家族か…。私は独り歩きでもしてたのかな…____」

累はハッとして何か思い出したようだった____



「…僕。鬼になってからも最初は家族がいたんだった」



それから累が口を開くと両親がいたことがわかった。そして無惨様の姿も___
話の脈絡から体の弱かった累を気にかけていたことが伝わってきた。



「____あの人も同じ境遇だったりするのかな」

「どうして?」

「その痛みが解るからよ。だから気遣ったんだと思う」

「…そっか____」


それが正しかったのかは私には答えられなかった
____________________________


「ありがとう、A」

「うん。累と話せて良かったよ」
今度は私から

むぎゅー____



「苦しいよ…」

そういう累の目はいつもより潤んだようにみえる。
人の家族にとって、もしもの時に頼りになるのは両親。いつだって子どもの為ならと寄り添ってくれる____

きっと累は両親よりも何倍も生きているのだろうけど、鬼になったのは子どもの時のこと。まだ甘えたいに決まっている。


静かに背中に回していた腕をほどき、正面に向き直る。


「絶対に、また来てね」

「もちろん」



________________________

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翠雨(プロフ) - 星猫さん» 最近のはあまり観れてないのですが、ハイキュー!!は間違いなく好きでした。あとはおそ松さん、free、繰繰れ!コックリさんetc.ですかね。5、6年前のアニメは幅広く観ていました。東リべは半分まで観ましたよ〜 (2021年10月8日 5時) (レス) id: 4d10c7f6b2 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年10月7日 17時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
翠雨(プロフ) - 星猫さん» 初めまして!高評価もコメントまでいただきありがとうございます!!緊張してたのですがとても励みになります。主人公の口調だとか、自分とは全く違うので難しくて(笑)これからも引き続きよろしくお願いします! (2021年10月7日 17時) (レス) id: 4d10c7f6b2 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年10月7日 17時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翠雨 | 作成日時:2021年10月5日 20時

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