ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

探索 ページ45

家の中は流石に忙しくても、やっぱりここだと土足で入る気が失せる。素早く靴を脱ぐと、私は家の中で嫌いな奴の名前を呼ぶ事にした。

「ナツル、今どこ！？」

私は居そうな気がする家の２階から行くと、ドアを片っ端から開けていく。けど、２階には誰も居ない。１階に降りると、１階で探していた様子のリュカと会う。

「居た？」

「いえ、居ませんでした」

なら、何処に？ まさかナツルも居ないのに住居侵入しちゃったって事？ そんなの嫌すぎる、あっちに帰っちゃえば大丈夫だけど……。

せめて居ないことは無いはず、家の中が嫌でも、誰とも会いたくない時。部屋じゃない何処か引きこもれる場所……。

「そうだ、物置部屋のクローゼット！」

自分の部屋以外で閉じこもれる、誰にも見つからない場所。物置部屋なんて普段行かないし、クローゼットは更に中を見ない。

……けど、待って。

２階には物置部屋なんて無かった。

「リュカ、物置部屋とかなかった？！」

「いえ、ありませんでした」

そうなると外に倉庫があれば怪しいけど、見たところ無かったし。

なら、一体何処？

そう思っていると、急に収納棚の扉が開いて知らない大人が沢山出てきた。誰もが男性で同人誌に出てきそうな、太ったモブおじさんみたいな人達が４……いや、５人。

まさか隠し部屋？

そう思っていると、おじさん達は何かを話し始めて気色悪い目で見てくる。舐めるようにして見てきて、更にはリュカまでをそんな目で見ている人も。

「ひっ……」

気持ち悪すぎて思わずうわずった悲鳴を出すリュカ、こういう大人はいじめがいがありそうなリュカの方を見る。けれどもわたくし、プッチンしまいまして。

好きなゲームのキャラに、そんな気色悪い目をしてくるのが許せなくてね。

その人達全員の急所を思いっきり蹴りあげて、その隠し扉を通って行った。こんな大人には必要無いものだからね！

そしたらまぁ……これは放送事故な感じになっていまして。

「Aさーん？ 何があるのか分からないのに、急に入ったら――。」

「ストップリュカ、入っちゃダメッ！！ とりあえず、急いでバスタオルとか用意して！！！」

そして気絶しているナツルを見て、思わず目をそらす。

……酷すぎるな、これは。いわゆるレ○プってやつだ、しかも手足が拘束されてる。

なんとか縄を外すと隠し部屋から出て、未だに悶絶しているおじさん達を生ゴミを見る目で監視していた。

「えっと、持ってきました！」

「ありがとう」

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