ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

居場所 ４ ページ4

いくら体目当てのやつでも、消したりなんかしたらやばい。

「何故だ？ Aを愛玩具としか見ていないケダモノだぞ？ 今家に帰宅したら、襲われるぞ？」

そう言うと、ギクっとしたクズ。

「何を――。」

「何を勝手に言ってやがる、クソガキが。………だろう？」

これ、知らない人からしたら……ジ○セフ・ジ○ースターを思い浮かべるだろうな。

でもこっちはサイキッカーだから。


「……そして、そこの女はAを人間とすら思っていない」

だろうね。

「そんな者共を、なぜ生かす必要があるんだ？ A」

そう言って頬を撫でてくるしきかんどの。

「………それなら、もう一度そっちの世界に戻りたいかな。でも、その前に私の部屋にある私服を持って行きたい」

「あぁ、わかった」

そう言うと、しきかんどのの肩にポンっと、小さな黒いドラゴンが現れた。

なんだこれ、可愛い。

撫でたい。

けれど我慢していると、瞬時に景色が変わって、私の部屋の中だった。

ゲーム関連のものが沢山で、オタク部屋すぎてちょっと恥ずかしいな。

ami○boも沢山あるし。

というか、制服から私服に着替えたいな。

「今着替えさせるが」

「……私の心の中、覗いちゃダメだから。ほら、部屋の外に出て」

「平気だ、襲ったりはしない」

「そういう問題じゃない」

とりあえず外に出させたら、旅行用の大きなバッグに大事なものとか服を全部入れた。

「A、準備は済んだか？」

「大丈夫」

そしてもう一度ドラゴンにトリップさせてもらっていた。

〜・〜・〜

トリップが完了したのはいい、それはいいんだけれど……。

まさかのムラサキの森。

懐かしいな。

「どうやらここが入口らしい、タツマイリに直接行く予定だったが……まぁいい。

おかげで、アイツらに邪魔されずに済むからな」

そう言ってもう一度１度私を抱きしめて、頬を撫でてくる。

それと気の所為かもしれないんだけど、顔が近い。

「A、何故僕の事を好きだと言っているのに、受け入れないんだ？」

「この世界は、私の方の世界だとフィクションで、ゲームのキャラクターだったから。でもそうとしか見れなくて」

「僕は僕だ、生きている」

確かに、こうしてしきかんどのは存在してるんだ。

でも、それを個人的な理由をつけて気持ちを蔑(ないがし)ろにするのは……、違う。

私はしきかんどのやリュカの気持ちを、そうやって弄んでたって事だ。

そう思うと、とても酷い言葉を言っていたと思う。

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