ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

番外編　愛妻家の日 ページ26

(２年後の話です)

今日は元の世界でＭＯＴＨＥＲ３をWiiUでプレイする日、しきかんどのに私がどんな風に旅したのかを話しながらゲームをする。

もちろん家とか買った。

それでゲームでリュカの話をすると無表情がムッとした顔になる、可愛い。

そして今、ソファーに座りながら具体的な結界を倒したところ。

『◆すてきだった』

「おー、倒した。そろそろかな」

「……Aに会えると思ったが会えず、リュカとお互いに睨みつけあった時のシーンか」

「そんな事があったの？！」


そう話しているうちに、あのシーンがやってくる。

『ﾊﾞﾁｨｨｨｯ!!』


「あ、カミナリ落ちた。あのね実はこのカミナリ落とす時を初めて見た瞬間に、しきかんどのが好きになったんだよ」

そう言うと、本人は「何故？」と言う様子で見てくる。

「んー、見た目といいオタク心に刺さったから！ それに指揮官として話すシーンがひとつも無いっていう存在の特別感かな、２には無口なキャラクターは居ても、ここまでシリーズで喋らなかったのは異質みたいな感じがして」

「そうなのか」

「うん、まぁ実際は話してみてとっても性格やら見た目も正直好みで、まさかこういう関係になるとは夢にまで思わなかったけど」

そう言うと、しきかんどのは横からスリスリしてくる。

「……Aと知り合う前から、こうして僕の事を知られているというのは少し不思議な気分だ」

「まぁ、普通はそうだよね。しかもプレイしている人限定で世界中に知られてる訳だし、でも……。こうして自分だけしか知らない事があるのって、やっぱり嬉しいかな」

すると寄り添ってきて「あぁ」と短く答える指揮官。少し、いつもより顔が赤い。

「A」

「何？」

しきかんどのには顔を向けず、コントローラーを持っていると膝に軽く乗っかってきてキスをする。

「好きだ」

「………ん」

すっかり私よりも大きくなったしきかんどの、男としての色気が出てきた。少し照れ隠しで素っ気ない感じに言ったけど、本人は愛おしそうに見てくる。けれども段々と息がちょっと荒くなっていく。


「………襲ってもいいか？」

「この前使い切ったじゃん、子供できる」

「作るか？」

そう言って首にキスをしてくる。

「まだダメ、２０歳になってからって決めてるの」

「……なら、買いに行ってくれ」

「何で」

「……Aが、今すぐ欲しい」

「おいこら。それでこの前誰かさんに潰された事、覚えてるからね？」

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