ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

番外編　朝から ページ22

〜しきかんサイド〜

視線を感じ、僕は目を覚ます。すると髪が乱れたAが眠そうにしていたが、目が合うと僕の腕の中で優しく微笑む。

「あ………しきかんどの〜……」

「………あぁ、おはよう」

寝ぼけているらしいAに、頭を擦り寄せた。起きたばかりで体温がとても暖かい、また眠ってしまいそうになる。

………ただAが眠そうに僕を見ているのが無防備で良い、ずっと見ていられる。

すると起きようとしているのか、仰向けになったが……僕の腕の重さで起き上がれないようだ。

僕は腕を離すと、ゆっくりAは起き上がる。

そろそろ起きた方がよさそうだ、僕も起き上がるとまたAを抱きしめる。

だがAは暖かいからか、またすぐに寝てしまう。意識を覚醒させること無く、規則正しい寝息を立てていた。

これで僕よりも年上なのか？

年下の間違いではないだろうか、一日中見ていられる。

………今なら寝ているから、キスをしても構わないだろう。気づく事も無い筈だ。

顔を上向きにさせると、僕はゆっくりと味わうようにAの唇に自分のを重ねる。本当ならここで襲いたいくらいだが、子供ができてしまう。

今はまだ子供を産めるくらいにAの体は成長しきっていない。今孕ませてしまったら、確実にAの体に影響を与える。

あと……３〜４年程か。

このままAを襲えたら、どれほど良かっただろう。

あまり無理矢理に自分のモノにする方法はしたくないが、もし……クラウスかリュカのどちらかに取られてしまったら。

そう思うとヘドロのような物が僕を蝕んでいくような気さえする。

欲しい物は何がなんでも手に入れる、唯一キングから教えて貰った事だ。

もう手に入らなくなると判断したら僕は、２人のどちらか………いや、腕の中に居るAを盗ろうとする全てをこの世界から抹殺しようとするだろう。

以前ならそんな事を態度に出してしまえば、すぐにメンテナンスを受けさせられただろうが。キングの意思で動く駒として、感情など必要がないからな。

だが、今は違う。

縛られるものは何も無い、それに自分の意思でこれからは生きる事にした。

"僕"自身をAに見てもらう為に。

………これ以上は我慢できなくなりそうだ。

絡めていた舌と唇を離すと、糸を引くように太陽光を反射している艶めかしい唇に無意識に集中する。

まるで何度も口にしたくなる果実のようで、あっさりと僕はその誘惑に負けてしまった。

実際→←甘えん坊

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