ゲームオタクがまたトリップしたら普通になってた １

番外編　モブ主としきかんどの ページ11

〜モブ主サイド〜

私は今ハイウェイに居ます。

ブタマスクなお父さんのお使いで、危ないものを売っているブタマスクさんにスーパーボムを貰いに行きました。

なんでも、上司の人が使うものらしいんだけど、用意してこいって言われていたものなのに、昨日の用意し忘れていたみたいで。

今日は遅くまでお仕事をするらしくて、用意できないんだって。

まったくお父さんったら、本当に忘れっぽいんだから。

そう思ってハイウェイを走っていたら、なんだかゼンマイと興奮してる豚が合体したような、そんな変な生き物とか。

ライオンに機械の手みたいなのがうじゃうじゃと、くっついている生き物とかとは違う生き物が、暴れていた。

いつもなら離れて移動すればやり過ごせてたけど、今回はなんだか様子が変だった。

なんだか……凄く暴れてて、見た目が他のと違ってた。

鷲みたいに大きな翼とライオンの体、尻尾は蛇で頭は牛と狼と猿の３つ首。

見るからに、これはバケモノで怖かった。

狼の金色の目が私を見つめると、凄い速さでこっちに向かってくる。

怖くて動けなくて、足がガクガクして震えていた。

私、死んじゃったな。

怖いのに、頭の中ではやけに冴えていて。

私を食べようと、大きく口を開けて、狼の頭の口がそのまま……。

私はすぐに来る痛みを我慢しようと、強く目を閉じた。

けれどその代わりに天が怒ったような、大きな音がした。


ﾄﾞｺﾞｫｫｫｯ


「………。」

恐る恐る目を開けると、すぐ近くでバケモノがコンクリートの上で転がっていて、死んでいた。

安堵と恐怖で腰が抜けて、私はその場に座り込むと、上から男の子が降りてきた。

背中には金属でできた羽があって、頭を覆うような仮面を被っていた。

不思議な感じがする子だな。

羽が折りたたまれて、カシャンカシャンと音を立てて何処かに収納された。

「(やはり、キマイラは多くの生き物を合成させると、生き物にもよるが高確率で暴走するのか。だとすると……)」

私には目もくれず、何かを考えているみたいだった。

そして私に目を向けると、落ちていたらしいスーパーボムを拾う。

「(……中佐の娘だな。顔がよく似ている、つまりそれを更に娘に用意させたという事か)はぁ……あの大馬鹿者が……」

そう言って私の持っているスーパーボムを全部持つと、飛んでいってしまった。

生まれて初めて、恋をした瞬間だったと思う。

けどそれ以来、あの不思議な男の子と会っていない。また会いたいな。

デート旅行 １→←運任せ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す