灯火の星 外伝 夢小説

紳士さんです ページ10

「さっきはありがとうございました……、私はAと言います！」

「いや、構わない。それよりもさっきの戦闘、とても動きが良かった。今度参考にしたい」

「そんな……恐れ入ります！ ジョーカーさんの方なんか、とっても素早くて銃の扱いも凄かったですし！」

流石、スパルタな織田くんにしごかれまくったリーダー。

本当に銃の扱いが上手すぎる。

「その過程で苦労は沢山あった」

「努力が伝わってきます！」

「………それより膝、と足」

「へっ？」

「失礼」

ジョーカーはしゃがむと、私の足首と膝を見る。

「？ さっき怪我をしていた筈……」

「実はこう見えて、体の治りが異常なぐらい速いので！ 心配していただいて、ありがとうございます」

私は肉体を改造されているから、とにかくケガの治りが早く、身体能力も化け物。

それは何故かと聞かれたら……ちょっと答えづらいけども。

「……それでも、もっと早く助けたかった。すまない」

やっぱり優しくて正義感が強いな、ジョーカーは。

それにさっき丁寧にお辞儀してくれたし、紳士だよね。

これは世の中のＪＫが黙ってないよ。

「気にしないでください」

『………ところで』

すると、じっとジョーカーを観察するように見ていたしきかんどのが、口を開く。

『どうやってあの像を爆破した？』

「あ、確かに」

私は気になって、じっとジョーカーを見つめる。

『それは秘密だぜ。怪盗はたくさん謎がある方が、カッコイイからな！』

そう言って、モルガナがドヤ顔で代わりに答えた。

「……と、いうわけらしい。だから俺も秘密にしておこう」

そう言ってジョーカーは口元に人差し指をやって、少しだけ妖しく笑う。

待って、イケメンが過ぎませんか。

ジョーカーから魅力が溢れんばかりなんですが。

魔性の男……恐るべし。

そして流石は切り札、もはや精神的ダメージがオーバーキル。

するとジョーカーは手を差し出してくる。

とにかく頼もしい人が仲間になったもんだな…。

「じゃあ改めて━━。」

そう思っていると、パッと姿が制服姿になって、さっきとは違う雰囲気になった。

「「あっ」」

黒縁のメガネでなんだか天然パーマが際立って、なんだかパッとしない感じがする。

けどメガネ越しからでも秘めた意志の強さは、十分にわかる。

今はちょっとバツが悪そうだけど。

「……改めてよろしく」

モルガナはあちゃーっとした様子になった。

『タイミングが悪かったな、レン』

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