灯火の星 外伝 夢小説

仕事 ページ45

「……そんな体で人間ってハッキリ言えんの？ 頭のイカれた科学者たちが汗水垂らして作った"最高傑作"なのに？」

「！！」

最高傑作……それは私が副指令官、ブタマスクたち皆に「ふくかんどの」と呼ばれる前に、私が科学者たちからそう呼ばれていた言葉。


――会心の出来だ、これであの方から直々にお褒めの言葉を頂ける――

――泣くな、喚くな！！ 手元が狂ったらどうしてくれるんだ、出世間違いなしのチャンスなんだぞ！！ 自分で志願した癖に、たかがそれくらいの痛みと副作用で精神と肉体を壊されたら、迷惑なんだよ！！――

――元々の写真と比べて、前とは本当に別人だ。髪は白くなってまるでボクみたいだ、そして赤く変色した目。オマケにやつれて……可哀想にねぇ？ 体のスペックの事も考えると、あのロボットよりもずっと化け物じゃないか。

　 本当にバカだよ、あんなにも嫌われている弟の為にボクの人形になるなんてさ。泣かせるね、本当に美しい偽物姉弟の愛と気持ち悪いくらいの自己犠牲だよ。見ていて思わずゲロが出そうだ！ あは、あははははは！！ ゴホッゴホッ、ゴホゴホッ……。

　 …………本当にその守られてばっかの弟が羨ましい限りだよ――


私こそが、原作でおそらく言われるはずのない失敗作という言葉で、しきかんどのを傷つけることになった根本的な原因だった。

「超人的な身体能力と、選ばれても素質も無いのに実験で得た強力すぎるＰＳＩの力。実験で白くなった髪と赤色の目。体が欠損しても、ちょっと日焼けしてもすぐに元通りな自己再生能力、それの影響でずっとその姿のまま歳をとり永遠に生き続ける体。まるでＲＰＧとかにある、弱点の無いタイプのヴァンパイアみたいだよな」

『黙れ』

するとしきかんどのは外に出てきて、一言そう言った。

『……御託はいい、それよりも貴様は何者だ？ 僕の部下の事をよく知っているようだが』

「あー、そういえば名前言ってなかったっけか。俺はロット、いわゆる未来と過去とか、空間とか……つまり時空とかを管理してる仕事してまーす。よろしく！ ロットでも君呼びでも好きに呼んでくれよな〜！」

こんな状況で笑ってそう言ってくるけど、それで「うん、よろしくね！」って言えるわけが無い。

「うわ、ノリ悪っ」

見事に私の地雷を踏んでおいて、よくそんな事を。

「ならそのお仕事にさっさと戻って」

「いや、今仕事中。Aを消すっていう、立派な仕事でさ〜！ そういう訳で消えてくんない？」

苦戦中です→←どちら様です？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す