灯火の星 外伝 夢小説

番外編　記念日だ ページ23

「リュカ、おめでとう！」

「ありがとうございます、ネスさん！」

リュカくんはそう前作の主人公に言われてひまわりの花束を貰う。とても嬉しそうな顔で、とっても可愛い。他にもショタ系のムラビトーや子供な２人のリンクとかイカくん、ロリ系のムラビトーとイカちゃんが祝っている。

「マルスさんもおめでとう！」

「ありがとう」

王子も爽やかスマイルで花束を受け取る。

圧倒的イケメンだ。

そして一方で私は影に隠れてその様子を見ています。

いやね、私だってファンとして祝いたいよ？ たぶん誰よりもそう思っているかもしれない、けれど。

今ここで話しかけたら、明るい雰囲気なのに台無しにしてしまう。リュカの事だから、きっと顔には出さないんだろうけど。

でも、無理して接して貰うのも申し訳ないというか。まぁ、ぶっちゃけ言うとガチで私が傷つく。

それに別に主役に向かって言わなくてもいい、だって――。

「しきかんどの、１５周年おめでとうございますぅ！！」

推しに直接言えばいいんだし！！

『……それはお前が言われる側だと思うが。そして言うのならリュカが適任だ』

ごもっともな発言だけれど、私は転生してＭＯＴＨＥＲ３worldにウェルカムされた身だからなぁ〜。

祝われる資格は、無いと思うんだよね。

まぁ、しきかんどのが言っているのは自分がスピリットだからって意味だろうけど。

「いえ、貴方に言いたいんです」

『……そうか(リュカではなく、僕に……)』

少しだけしきかんどのの纏う雰囲気が、どこか柔らかくなった気がする。

それを見兼ねて持っていた紙袋からスピリット専用の、特殊なおやつを出すと手作りしたクッキーをしきかんどのに差し出す。

「作ってみました、良ければどうぞ」

『……そうなると茶が必要だな』

「そこは素直に私のお茶が欲しいって、言ってくれればいいと思います」

「部下は上司の事だけを考えて行動していればいい」

『わかりました、なるべくそうします』

待って、そのセリフ……言い換えたら、僕の事だけを考えてって言ってるみたい。だって、私の上司なんてしきかんどのしか居ないし。

はぁ……ありがとうございます、夢女子にはご褒美です。

『(この様子だと気づいていないな)』






〜・〜・〜

花束を持って僕に用意されたファイター専用の個人部屋に帰ると、何故かテーブルの上にクッキーが置かれてた。

誰からなのか分からなかったけど、凄く美味しくて、思わず僕は食べた時に笑っていた。

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