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翌朝になって学校へ来てみたけど、彼女はいなかった。
数十分後のホームルームで先生から彼女が本当にここを離れたことを知って、そこでやっと消えること自体はやっぱり本当だったんだと実感がわいた。
クラスメイト達は私を除いて皆、騒然としていた。
正直言ってそれからの学校生活は案外つまらなくはならなかった。
彼女のいない夏休みも、彼女のいない体育祭も、彼女のいない文化祭も、全てを振り返ってみればあまり変わりなかった。
彼女が消えて少し寂しく感じた時も勿論あった。けれど私には元々本当に少しだけど友達はいたし、時間が進むにつれそれなりにクラスに打ち解けていたから人間関係で大きく困ったことはなかったからだった。流石に夏休みまでに友達が数人増えたとかはなかったけれど。
だけど下校はやっぱり彼女以外とは一緒に帰る気が起きなくて、大抵一人で帰っていた。あのバス停は通らなくなった。
お揃いのキーホルダーは学校につけていったけど、彼女がいないからクラスメイトにはお揃いだと気づかれなかった。というよりそもそも話題として一度もあがらなかった。
一年が過ぎ、二年が過ぎ、卒業して大人になった今でもまだ彼女とは会えていない。
彼女の連絡先はまだ残ってるけど約束を取り付けたきり使っていない。そもそももうこの連絡先は使えないかもしれないし、使わないで彼女と会う事が、彼女の言うまたいつかの条件だと思ったから。
同窓会は一回だけ参加した。クラスメイトは思ったより変わってないようでとても変わっていた。けれど彼女は欠席扱いで会う事はなかった。死んだから招待できないではなくて、彼女が自分の意思で欠席したところに生存しているという事実だけは感じることができた。あれだけ人の生き方を否定して、あれだけ現実を嫌っていた彼女が生きている。嘘をつかれたような感覚と、嬉しさと、安堵と、怒りと、とにかく色々な感情が複雑に絡み合って、網となってこの約束が今世のうちに叶う可能性があることを受け止めた。
自分もあれから大人となって、男子校で生徒達の青春のピースの一部となっていた。彼らにとっての青春とは何かは自分には分からないけれど、私にとっての青春は確かに彼女という友人が全てを占めていた。
つまるところ、私の代わり映えのない空虚な青春に色や中身を、ピースを埋めたのは、変わった友人というわけだった。
なので次に出会った時は彼女に感謝でも送ろうと思う。
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翠霞(プロフ) - ちか_chikaさん» hskw、結構この界隈だとゆめしょ少ないですよね……。百合書き手さんが増えることを祈るばかり……。 (2022年1月24日 18時) (
レス) @page24 id: 4f87e04877 (このIDを非表示/違反報告)
ちか_chika(プロフ) - hskwの小説求めてたので助かります…！ (2022年1月24日 18時) (レス) @page24 id: 74ef4105f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sui_Ka_zr
作成日時：2021年10月17日 2時
