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でも一つだけ、気になったことができた。
夜見ちゃんって、何を願ってたんだろう。そういえば教えてもらおうとしても教えてもらったことなんかなかったな、と思った。でももう夜見ちゃんはいないのだから聞きようもない。それでも気になる。つまり、私はまたあの教会に対して興味を持ち始めてしまったらしい。昔みたいに私はもう子供じゃない、やろうと思えばできなくもないのだから本当にやってしまおうか。そう思った。
神様、どうか私を夜見ちゃんに会わせてください。そう祈って、夜の村を抜けた。
久しぶりに訪れた教会はやはり誰も近寄らない為か非常に通りづらくなっていた。もし切って入るならば多少時間はかかるだろうけれど、私はそんな力はないので手に持っている蠟燭の火でうまいこと燃やして入った。入口から既に蜘蛛の巣が張り巡らされていて、夜見ちゃんが消えたあの日よりもずっと不気味に変化してしまった気がする。元々ここにいた神は何故夜見ちゃんを連れ去ってしまったのだろうか。連れ去らなければ、貴方の信仰は途絶えなかったはずなのに。そういう疑問を手に、古ぼけて軋む音のする扉をぐっと押した。
まず最初に見えたのは誰もいないはずの教会についていた蠟燭の灯り達。そして白と黒、まるで善と悪のような髪色をした少女の姿。幼子のような座り方で、腕を組んで祈るその姿勢はそれはまさしく天使みたいだった。でも、私はこの少女に見覚えがある。
「もしかして、夜見ちゃん……？」
彼女がゆっくりと立ち上がって振り返る。その動作はなんというか、間接人形のようにどこかぎこちなくてどこか精巧だった。けれどこれで確信した。彼女は、あの時消えてしまった夜見ちゃんなんだと。祈りは届いた、願いは叶った。
「……久しぶりだね、A」
「あぁ、夜見ちゃん、なんだ……」
「うん、そうだよ」
「……ねえ、夜見ちゃん、なんで」
「ごめんね、」
「必ず戻ってくるって、言ったじゃん」
「ごめんなさい、」
「なんで戻ってこなかったの」
「……」
ずっとここに居たのなら戻ってこれたはずなのに、なんで夜見ちゃんは戻ってこなかったの。夜見ちゃん、なんで、そう言っても夜見ちゃんはずっと気まずそうに黙っていた。
その様子を見てふと、気づいてはいけないことに気づいてしまった。
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翠霞(プロフ) - ちか_chikaさん» hskw、結構この界隈だとゆめしょ少ないですよね……。百合書き手さんが増えることを祈るばかり……。 (2022年1月24日 18時) (
レス) @page24 id: 4f87e04877 (このIDを非表示/違反報告)
ちか_chika(プロフ) - hskwの小説求めてたので助かります…！ (2022年1月24日 18時) (レス) @page24 id: 74ef4105f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sui_Ka_zr
作成日時：2021年10月17日 2時
