曇りのち晴れ hks △(◇) ページ18
※モブと別れる描写がある
「私達、別れよっか」
なんとなく分かってはいた、この関係に終わりが来るということに。幸のある結婚生活も、学生としての青春も、健康的な生活も、この世の事象全てには終わりが来るのだからこの関係だって終わりが来るに決まっている。もう終電を迎えてしまっただけ。それだけに過ぎなくて、未練がましくいる必要性もないと私は思っていた。だから苦しそうな顔をした彼の声が、雑音に聞こえた。近寄ろうとしてくる彼が、愚かに見えた。
「私のことなんか気にしなくていいよ、あの子と幸せになってね」
一線を超えるとその人に対する感情というのは本当に消失してしまうらしい。これが赤の他人だったら、困惑の一切でもまだ芽生えてくれただろうか。そう考えると本当に私達は元通りにならないんだな、と実感する。別れるという選択肢を選んだ時点で私はここにいる意味なんてなかった。もう時間の無駄でしかないと、私は鍵をポストに入れて、私はあの家を出た。
その帰り道、私は葉加瀬ちゃんに出会った。葉加瀬ちゃんが手を振るからこっちも振り返したら何かがおかしいのか、焦ってるはずなのにどこか軽快な足音を鳴らしてこちらへ寄ってきた。
「あ、A！こんな時間にどうしたの、彼氏は？」
「ん、あぁ……別れたよ」
「え」
あんなに仲が良かったのに、そう驚かれた。別にいいでしょ。そう言ったけど、葉加瀬ちゃんは私が思うよりも私達が別れるなんてあり得ないと思っていたらしい。
「なんでそんな急に、」
「……浮気してたの、あいつ」
「相手は後輩ちゃんでさ、その子からあいつの好きだったものは何かって聞かれたの」
「あいつの誕生日が近いから何か贈りたくて、勝手に元カノにされてた私に聞いたみたい」
口に出せば本当に馬鹿みたいだった。私は死んでなんかいないしなんなら同じ学校なのによく元カノだなんて嘘を吹き込めたなぁ。もしかしてあの子かあいつのどちらかが余程の馬鹿だったのだろうか。どちらにせよもう終わったことなのだから仕方がない。
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翠霞(プロフ) - ちか_chikaさん» hskw、結構この界隈だとゆめしょ少ないですよね……。百合書き手さんが増えることを祈るばかり……。 (2022年1月24日 18時) (
レス) @page24 id: 4f87e04877 (このIDを非表示/違反報告)
ちか_chika(プロフ) - hskwの小説求めてたので助かります…！ (2022年1月24日 18時) (レス) @page24 id: 74ef4105f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sui_Ka_zr
作成日時：2021年10月17日 2時
