好奇心は猫をも殺すとは言うけれど、 fyk ◇ ページ34
※エイプリルフールのTSネタ
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別に、あなたのことが嫌いなわけじゃない。むしろ好きな部類には入るし、あなたみたいなタイプを嫌いでいることなんか私にはできない。ただそれでも、人として、クラスメイトとして、友人としての好きという感情に対して先駆けて訪れる感情はいつだって発生しうるものではあるわけで。たまたま私の場合、それが度の過ぎた被虐思考であったに過ぎないんでしょう。でも拗らせた恋情ならともかく、殺してほしいなんて、精巧にできた人間を二度と消えはしないだろう闇に突き落とすようなことを求めるのは酷いのではないか。でもやっぱ、自分の命を終わらせるのはあなたでいてほしいような気がしてならない。それがたった一瞬のものだとしても、私には今と未来しかない。ちょっと楽しい今と、このまま波に流されるように生きていくか、大した彩りもない人生をひっそりと終わらせていくか。これだけしかない。だったら私はあなたに殺してもらいたいと思った。それだけの話だった。
でも、まあ、あなたは私よりもしっかりした人間だから、絶対私のことを殺してくれない。眠たげな、猫みたいな目をやんわりと細めて「……それは無理だよ」って言うんでしょ。絶対そうだ。あなたじゃなくてもそう言うんだ。私がおかしい。あなたの何番目かに近い位置に置かせてもらっているのに、こういうことを高望みしてしまう自分が、一番おかしい。
「そんなにこっちを見て……どうしたの？なんか変なものでもついてた？」
「……いや、なんでもないよ」
「本当に？」
「本当に」
「じゃあ、もし本当のことを言ったら一つだけなんでも言うことを聞くって言ったら？」
「えっ……」
もしかして頭の中でも覗き見られたのだろうかとびっくりしてしまった。あなたから何でも言うことを聞くなんて言葉が出るなんてこれっぽっちも思ってなくて、思わずじゃあと口にしかけたけれど、声に出てないからきっとセーフ。きっとね。彼は変なとこで聡いから、確定だとは言えない。
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翠霞(プロフ) - のんさん» ありがとうございます……！リクエストのほうも承りました。消化するのに時間がかかってしまいますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！ (2022年4月1日 8時) (
レス) id: 88ea8129dd (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - こんにちは、msrざんを推させて頂いているものです、、！作者様の文章の書き方がすごく大好きです！リクエストなのですが、宜しければメンヘラなmsrさんがヘラってしまう的なお話が見てみたいです・・・！これからも更新頑張って下さい！長文失礼しました。 (2022年3月31日 20時) (レス) @page1 id: 4ff02946c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sui_Ka_zr
作成日時：2021年8月27日 22時
