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「ねえ、Aさん」
「本当に気づいていなかったんですか」
「何、を……？」
「私が貴女とこうして一緒に居ることですよ」
「それはさ、加賀美くんが友達がいない幼馴染の私に配慮してとかだと……」
「なんでそれだけだと思っているんですか」
「だってそれ以外考えられないじゃん、」
「……嘘だろ」
「俺、ただの幼馴染だからって感情でこんなことしないんだけど」
「貴女の事を愛していて、どうしようもないほどおかしくなりそうで、それでも貴女との関係を絶ちたくなくてここまで我慢してきたのに、」
そう呟く彼の暗い表情が、酷く印象に残りそうだった。
見たことのない顔。純粋な憎悪とは違うそれを、私は知らなかった。
知りたくもなかった。
気になってしまったら、知ってしまったら終わりな気がして。
「Aさん。本当にお願いですから、私から離れたいだなんて、そんなこと言わないでください」
「私は貴女のことを離したくないんです、今すぐにでも他の誰かに取られるくらいならいっそ……」
私だって流石に今すぐに抜け出すことを考えるとかするほど力量差も分からない馬鹿ではなかった。
でも上から降り注ぐそれを、貴方の眼で、心で、ぐるぐると渦巻くその仄暗い情欲のようなものを、私は知らない。
だって今までそんなもの見せてこなかったじゃないか。
貴方と私はただの幼馴染で、恋人なんかじゃなくて、そんなものを持たせるような心当たりもなくて。
嗚呼、あぁ、私は今、初めてこの男に恐怖を感じていた。
「ねぇ、Aさん」
「もし嫌でしたら遠慮なく抵抗してください。一応、貴女の嫌がることはしたくないんです」
加賀美くんが出した、最後の選択だった。
恐らく抵抗したら私達は元通りになるか、疎遠になる。
でも受け入れてしまえば後戻りができないのは確実だった。
一線を、超えてしまう。
だけど私は何故だか彼を拒むことなんてできなかった。
力量差とか諦めとかじゃなくて、関係を絶つかもしれない怖さと、加賀美くんの瞳の奥に見える何かが気になってしまったからなのか分からないけれど。
とにかく私は、抵抗なんてしなかった。
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3日で書きました。トータル作業時間は1日もないんじゃないですかね。
執着的な加賀美書いた後は可哀想な加賀美書きたくなるし今日の自撮りで加賀美の目が可愛すぎて食べたくなった
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翠霞(プロフ) - のんさん» ありがとうございます……！リクエストのほうも承りました。消化するのに時間がかかってしまいますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！ (2022年4月1日 8時) (
レス) id: 88ea8129dd (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - こんにちは、msrざんを推させて頂いているものです、、！作者様の文章の書き方がすごく大好きです！リクエストなのですが、宜しければメンヘラなmsrさんがヘラってしまう的なお話が見てみたいです・・・！これからも更新頑張って下さい！長文失礼しました。 (2022年3月31日 20時) (レス) @page1 id: 4ff02946c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sui_Ka_zr
作成日時：2021年8月27日 22時
