左様なら fsm ◇ ページ24
初めてあいつが夢に出た。
明日に馳せながら寝た影響なのかは分からないけれど、確かに初めて現れたのだ。
いつもと違う、長い髪で。見たこともないような姿で、あいつは。
良く言ってしまえば神秘的、悪く言ってしまえば不気味なくらい浮世離れ。
そんな姿をしたあいつは、静かに口を開いた。
「昼ぶりだな、元気してるか？……ってそんな数時間で体調を崩すわけないか」
「もしかして、ふしみ……？」
「あれ、俺の事誰だか分からなかったのか？酷いなぁ、でも気づいてくれたならよかった」
いつもみたいにけらけらと笑う様子が、容姿の不思議さと混ざり合っていつもみたいにどんなに嫌な気持ちでも吹き飛ばしてくれるようなあの快さは全く感じることができなかった。
確かにあいつは伏見なのだろう、でもあいつは私の知っている"伏見ガク"ではないのだろう。
「ま、そう怖がらないでくれよ。悲しくなるじゃないか」
「そう言われても……」
「あ、もしかしてこの姿が怖かったりする？それは申し訳ないな」
「ほら、ちょっと目を瞑っててくれ」
夢が覚めることでも忌避しているのか知らないけれど、
どうしても私に冷静に話を聞いてもらいたいらしい彼は私に来ていた上着を投げつけてきた。
一瞬で視界が暗くなり困惑するが、きっと目を瞑ることへの配慮なのだろうかと脱出をやめた。
そして少し、具体的に言えばどれくらいかは分からないけれど時間が経ったころにまた、視界が明るくなった。
「もういいよ、こっちを向いてくれないか？」
恐る恐る上を向くと、そこには確かにいつも通りの"伏見"が居た。
「これで大丈夫か？いきなりあんな姿でごめんな」
「いや、平気だよ。気にしないで」
「そうか、ならよかった」
そうやって微笑む彼にあの姿の時の不思議さは伝わってこなくて、いつも通りの彼になったのだと安堵した。
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翠霞(プロフ) - のんさん» ありがとうございます……！リクエストのほうも承りました。消化するのに時間がかかってしまいますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！ (2022年4月1日 8時) (
レス) id: 88ea8129dd (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - こんにちは、msrざんを推させて頂いているものです、、！作者様の文章の書き方がすごく大好きです！リクエストなのですが、宜しければメンヘラなmsrさんがヘラってしまう的なお話が見てみたいです・・・！これからも更新頑張って下さい！長文失礼しました。 (2022年3月31日 20時) (レス) @page1 id: 4ff02946c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sui_Ka_zr
作成日時：2021年8月27日 22時
