▼ ページ18
そんなある日、私は仲の良い悪魔の友達にとあるものを貰った。
どうやらこれは知りたいことなどをなんでも見せてくれる不思議な道具、らしい。
友達曰く使うことがないからと勢いで貰ってしまったけれど、
これがあれば、私は加賀美くんと一緒になれるかもしれない。
そう考えた私は早速その道具を使うことにした。
それは、本のような形状であった。
しかしただ開くだけではただの白紙のページを持つものでしかない。
そこで加賀美くんから昔貰った栞を挟んでみることにした。
すると、たちまち白紙のページから文字や映像が浮き出てくる。
天界では見なかった道具だったので思ったよりも凄いものだったんだと驚いた。
でも、大丈夫。これがあれば何とかなるって確信を持つことができた。
それから私は本だけを手に取ってあの場所へ向かった。
あの穴はまだ塞がってないらしい、
加賀美くんは知っているはずなのに塞がれていないということはこの門の辺りには関われない役職なのかもしれない。
というかこの穴、前潜った時よりも心なしか穴が広いような気がする、
気のせいかもしれないけど。
でも、加賀美くんに会えるならと気にせずに潜ってしまうことにした。
翼はあれから大分染まってしまったらしく、
夜とはいえ目立ちすぎる天界で広げるのは大分厳しいと判断した私は徒歩で加賀美くんの自宅付近まで歩くことにした。
幸い道は変わってなかったから大丈夫だった。
そして時々、本を読む。そういうことを繰り返していたら、長身の男性がこちらを見ていた。
あれは、間違いなく加賀美くんだった。
可哀想に、
人形みたいに美しい容姿に人形みたいに生気のない表情は酷くアンバランスで笑いそうになってしまった。
でも加賀美くんには私のことをあまりはっきりと見えていないらしいので、
びっくりさせないように笑うのは控えた。
「……迷子、ですか」
「え、あぁ、んー……そうかもしんない」
本当は迷子なんかじゃないけど、素直に加賀美くんを迎えに来たなんて言える状況じゃなかった。
今の加賀美くんにどんなに軽くても、手荒な真似はできない。
「そうかもしれないって……」
「一応目的があってこっち来たけど、今の様子じゃちょっと時間かかるしなあ……って」
「はあ……？」
でも、これは凄いチャンスだと思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翠霞(プロフ) - のんさん» ありがとうございます……！リクエストのほうも承りました。消化するのに時間がかかってしまいますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！ (2022年4月1日 8時) (
レス) id: 88ea8129dd (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - こんにちは、msrざんを推させて頂いているものです、、！作者様の文章の書き方がすごく大好きです！リクエストなのですが、宜しければメンヘラなmsrさんがヘラってしまう的なお話が見てみたいです・・・！これからも更新頑張って下さい！長文失礼しました。 (2022年3月31日 20時) (レス) @page1 id: 4ff02946c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翠霞 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sui_Ka_zr
作成日時：2021年8月27日 22時
