第七話 :『情』 ページ1
「というかお前、人の前で反転術式を見せただろう」
炎天下、木陰で休む水巫の額にオロチはデコピンを喰らわす。
子供の姿をしているとは言え、中身は呪霊の中でもトップクラスの化物だ。水巫は微かに赤くなった額を押さえて悶絶した。
「だって、痛そうだったから…」
涙目でオロチを見上げる水巫。彼は溜め息を吐いた。全くもって悪意がないので、叱ることもできなかった。
「俺たち呪霊にとっては簡単なことだがお前ら人間にとって、反転術式は難しいんだ。
だから、できているところを見られて目をつけられると面倒なことになる。東京はまだ奴の勢力圏だから構わんが、京都の奴らには気を付けろよ」
オロチは「次やったら今度はビンタだ」と脅すと、水巫は首が曲げそうなほど頷いた。
「じゃあ、そろそろ続きをやるぞ」
オロチが一足先に太陽の下へ出る。
真っ赤な髪が燦然と、太陽のようにきらきらと風に靡いた。
「前回お前には一つか二つの攻撃しか教えてないが、他にも種類があれば防御もできる」
「守りもできるの?」
「そうだ」
オロチが首を縦に振る。
水巫は少し顔を明るくした。守れる手段があるならば、もうあんなような冷徹な判断を下さねばならないような状況も少なくなるだろう、そう思ったのだ。
「だが守りの方がより複雑な構造になってる。一歩間違えればお陀仏だ。気は抜くなよ」
「分かった。よろしく、オロちゃん!」
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みぞれ(プロフ) - とても面白いです!この作品はもう更新されないのですか?されるのであれば更新頑張ってください! (2021年9月23日 18時) (レス) @page10 id: 976162990d (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年1月4日 0時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤れい(プロフ) - ソラさん» ソラさん感想ありがとうございます! 執筆してる側としてはそういったお声がいただけるのが何よりも幸せです… 日々精進するつもりですので、これからもよろしくお願いします! (2020年11月29日 1時) (レス) id: 4f8cc240de (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!!応援してます!! (2020年11月28日 20時) (レス) id: 59bc6ae80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤れい | 作成日時:2020年11月28日 13時