はち ページ10
.
「その方は…鬼ですか?」
なんとなくAの寝顔を眺めていたら、蝶のように軽やかに背後に近づき顔を覗かせた胡蝶
ああ、まずい。胡蝶にはまだ言っていなかった。一応鎹鴉を飛ばしたものの、俺の鴉はもう高齢で、飛ぶ速さが他とは劣るため連絡が回っていない確率が高い
どう言葉に伝えようかと考えていると、先に胡蝶が口を開いた
「何か言ったらどうですか?お聞きしましたよ、お館様から。断片的ではありますが」
そう言いながらAへ近づいていく胡蝶。そっとAの顔や体に触れ、何かを確認しているみたいだ
「…この方は、鬼殺隊を支援してくださっていた一ノ宮家の御息女なのですね」
「ああ」
胡蝶はAの髪飾りを丁寧に外して側に置き、少し哀れみを含んだ瞳で彼女をじっと眺める。敵対心は無いようだ
そういえば、俺が柱になって数ヶ月後に一ノ宮家が鬼殺隊に関わっていることを知ったな。まさかAと間接的に関わっているとは思わなかった
Aと会ったのは子供の時の一回だけだ。偶然すぎて驚いたのをよく覚えている
「正式に鬼殺隊に身を置くためにはまず柱合会議に参加しなければならないのですが…禰豆子さんに続いて二人目となると、他の柱が何と言うか分かりませんね」
「…」
そうだった
上弦で血鬼術も分からない鬼を、他の柱は認めるだろうか。一応お館様は許可して下さっているが、最終的に会議には参加しなければならない
協力者だったとはいえ、上弦で血鬼術も分からない鬼を、柱達はどうするだろうか。俺は禰豆子に命をかけているので助け舟を出すことが出来ない
「Aを信じるしかない」
.
204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
miyui(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年12月25日 23時) (レス) @page20 id: f42f8a7275 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - とっても儚くて素敵なお話だと思います!更新頑張ってください! (2019年10月21日 17時) (レス) id: 39433c79c4 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - さといも。さん» ありがとうございます (2019年10月18日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - あ、まってすきです (2019年10月15日 20時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Sui | 作成日時:2019年10月1日 19時