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_______________ベベン
何処からか琵琶の音が聞こえてきて、幻聴かと思ったらいつの間にかよく分からない場所へと移動されていた。なんだろう、ここは
構造が入り組んでいて、上下左右が整っておらず少し気持ち悪い。灯りも少なく、落ち着けそうで落ち着けない
建物の真ん中には琵琶を持った女性がいる。鬼ならば、これが…血鬼術と呼ばれるものなんだろうか
「ここは無限城だ」
私が落ち着きなくソワソワし、周りを見ていたからか、無惨が私に微笑みかけながら言った
「……」
''私の家に帰りたい''と、意味が無いのは分かっているもののなんとなく思いを込めて彼の瞳と目を合わせる
まだ心の整理がつかない。両親が殺され、鬼になってしまった今、私はどうするべきなのか答えが分からない。傍から見たら冷静に見えても、内心はもう今にでも泣き出したい気分だ
全身から汗が吹きでて、吐き気がする
「…思考が読み取れない」
「え?」
「通常の鬼は思考が読み取れるはずだが……Aは面白い」
そう言って笑う無惨がとてつもなく怖い
心の中ではこの鬼に対して敬称なんか付けてないし、もし読み取れていたら私はあの世逝きだろう
有り得なくもない最悪の未来を想像していると、またもやあの琵琶の音が聞こえ、障子が目の前で連続で開き、先程とは違った雰囲気の和室に移動した
「楽にしていい。ここは私の部屋だ」
「…」
月明かりが見える景色に広い空間。鬼の頂点に立つ者の部屋に私は居る
その瞬間、動悸が激しくなる
この鬼は一体どれぐらいの人達を鬼にしたの?喰らったの?どうして私はここに?何も抵抗出来ずに、ただされるがままに鬼になってしまった私が…どうして?
お母様とお父様を置き去りにして、私は…
そのまま停止していると、頭に冷たい感覚が走った
「…美しい」
頭を…撫でられている。優しい手つきだが、この手で何人何百人を手に掛けたのだろう。そう思うだけで身震いがする
そして次第に撫でられている手が髪を梳き頬に触れた。そのまま顎を指でなぞられ、クイッと顔を上げさせられる
「…私の妻であることを誇りに思え、A」
「…はい、無惨様」
胸の中のある感情が大きくなっていく
私は許さない
絶対に復讐する
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miyui(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年12月25日 23時) (レス) @page20 id: f42f8a7275 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - とっても儚くて素敵なお話だと思います!更新頑張ってください! (2019年10月21日 17時) (レス) id: 39433c79c4 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - さといも。さん» ありがとうございます (2019年10月18日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - あ、まってすきです (2019年10月15日 20時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sui | 作成日時:2019年10月1日 19時