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きゅう ページ11

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頭がぼーっとする。お腹も空いた


そう感じ重い体を起こす。一体どれぐらいの間眠っていたんだろう。ここに来た時は夜だったはずが、窓掛け(カーテン)越しに日の光が漏れている



未だぼやける視界を頼りに、いつの間にか外されていた髪飾りを手にして付け直す


ぐぅ、とお腹の音が鳴り、思わず呻いた



何か食べたい。でも鬼は人の血肉のみで空腹を紛らわすと聞いた。現に、今私は凄く人の血の匂いに敏感になっている。この屋敷は怪我人が多いのか、血の匂いが濃い


食べたい…喰らいたい……





涎が出てきてしまいそうになり、慌てて手で口を塞ぐ。理性を保っているが、このままでは危ない





何かないかなと袖をゴソゴソしていると、キャラメルの入った箱が出てきた。私はキャラメルが大好きなので、いつも欠かさず持ち歩いている


キャラメル一粒を手に取って口に運ぶ。甘くて粘着性のあるそれが口に広がる





…少し、空腹感が減った気がする



キャラメルだけで大丈夫なのかな…と不安に思いつつ食べ進めていると、突然部屋の扉が開かれた






「なんであの馬鹿隊士以外の鬼がいるんだァ?」



「へ…」






顔中に傷跡があり、胸元を露出させている男性。雰囲気がそれはもうとにかく凄くて、思わず声が出てしまった


私が驚いている間にその人はいきなり刀を握り襲い掛かって来た






「ひっ、わっ、」




刀が振り下ろされる速度が物凄く速かったが、間一髪、避けることが出来た






「上弦の陸ってほどあるなァ」



「私、人を喰ってるわけじゃ、ってやっ!あの話を…ひっ」




話をしようと試みるも(ことごと)く流される。寝台から飛び降り開いた扉から逃げようとした時、私の心臓めがけ、刀が一直線に向かってくる


ああ、どうしよう。足を捻ってしまった。これじゃあ避けれない




ギュッと目を閉じ、同時に意味もなく手を後ろに向けた






「……!」





しかし一向に刀が私の身体に刺さらない。恐る恐る振り返ると、目の前には私のお腹の大きさ程の四角い形をしたものがあった


それの発生源はどうやら私の手かららしく、刀はそれに入り込み、男性の横ギリギリに発生した二つ目の四角から、入り込んだ部分の刀が出ていた






「空間操作…面倒臭ぇ血鬼術だぜ」





血鬼術…?





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文章の限界を感じたので、雑ですが図を描きました


じゅう→←はち



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miyui(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年12月25日 23時) (レス) @page20 id: f42f8a7275 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - とっても儚くて素敵なお話だと思います!更新頑張ってください! (2019年10月21日 17時) (レス) id: 39433c79c4 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - さといも。さん» ありがとうございます (2019年10月18日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - あ、まってすきです (2019年10月15日 20時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sui | 作成日時:2019年10月1日 19時

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