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よん ページ6

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黒死牟と別れたその後、私は鳴女に自分が元々居た家に移動してくれるよう頼んだ



またあの琵琶の音がして、足元にあった障子が開いて落とされ家へと落とされる






「…」




家には私と、冷たくなって動かない両親がいる。涙と嗚咽が出てもおかしくないのに、それをすることすら心身共に疲れ果てている自分がいる



これから私は…どうしたらいいんだろう。もう何も分からない。それに、記憶しているはずの記憶がすっぽりと抜けている気がする。霧のようにぼやぼやしているものではなく、はっきりと''ない''


''完全記憶能力''の一部を鬼舞辻に取り込まれたのかもしれない






…現に、私が今付けている髪飾りを買ったのか、貰ったのかすら覚えていない。私物の事も完璧に把握しているはずなのに



お腹も空いて、家も空っぽ。孤独の空間に私は膝を抱えて(うずくま)りたくなったが、両親をこのままにしておく訳にはいかない



何とか自分で自分を奮い立たせ、冷たい死体へと手を伸ばした









***



産屋敷邸




「…一ノ宮家から何か連絡はあったかい」



「いえ。鎹鴉が帰ってきていません」





「……おかしいね」






身体が病に侵されている中、鬼殺隊当主、産屋敷耀哉はある異変を感じていた


鬼殺隊へ膨大な支援金を渡していた貿易商、一ノ宮家からの連絡がつかなくなっていた。この日は毎月連絡を取り合っていたのだ


一ノ宮家とは長い付き合いで、一人娘のAとも幼い頃から交流があった






「…炭治郎達に行かせたかったけど…今は重症だしね。代わりに行ってくれないか、義勇」





産屋敷あまねのさらに奥で控える水柱、冨岡義勇に顔を向ける耀哉






「御意」




義勇は堅く返事をして一瞬でこの場を去った





(一ノ宮…懐かしい名だ)









_''わたしは一ノ宮A。あなたは?''



___''と、冨岡、義勇''


__''ぎゆう、ぎゆうくん、いいおなまえだね!''






幼い頃の会話を思い出しながら、義勇は一ノ宮家へと向かった





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ご→←さん



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miyui(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年12月25日 23時) (レス) @page20 id: f42f8a7275 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - とっても儚くて素敵なお話だと思います!更新頑張ってください! (2019年10月21日 17時) (レス) id: 39433c79c4 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - さといも。さん» ありがとうございます (2019年10月18日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - あ、まってすきです (2019年10月15日 20時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sui | 作成日時:2019年10月1日 19時

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