じゅうよん ページ16
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琵琶の音が止んだと思えば、私はいつの間にかあの無惨の私室へと移動していた
そして目の前には
「…待っていた。私の愛しい妻よ」
「…遅くなり申し訳ございません、無惨様」
憎き存在、鬼舞辻無惨。私にゆっくりと近づき、またあの時のように優しく、しかし恐ろしく冷たい手で私の頬を撫でる
その手が後頭部へ回ったと思えば、腰にまで手が回り無惨と私の距離が一気に近くなる
な、何をされるんだろう。嫌な予感がする
少し怖くてぎゅっと目を瞑ると、唇に柔らかいものが当たった。驚いて体が後ろに傾くが、無惨の手がそれを阻止する
瞼を開けると無惨の無駄に整っている顔が目に入る。そして彼は私の着物を緩め、はだけさせる
嘘…私…接吻された………
「…夫婦になって初めにする事は…」
"こういう事だ"
そう妖しく笑い、私を優しく布団に押し倒す
逃げ出したいのに、体が金縛りにあったように動かない。このまま逃げ出せば、きっと私は…いや絶対…
硬直している私に、はだけて晒されてしまった素肌の至る所に紅い何かを付けていく
「…っ」
チクッとした痛みが走る。内出血を起こしているみたいだが、何故か治らない
無惨だから…?
何が起こっているか理解出来ていない間に、胸の谷間辺りにねっとりとして熱い感触が走る
「ん…っ!?」
へ?舐められてる…
まるで私のことを甘いキャンディーのように舐めていく無惨の姿が目の前にある
その瞬間、私はこの行為の名称をやっと気付いた
「… Cane!」
「…?」
もうどうすることも出来ない
相手の知らない言語で罵っても意味が無いことなんて分かっている
誰か………助けて…義勇さん……
そんな思いも虚しく、私はただただ無惨の行為…いや好意を受け入れるしかなかった
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ーーー
Cane!は、イタリア語で最低!という意味です
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miyui(プロフ) - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年12月25日 23時) (レス) @page20 id: f42f8a7275 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます。 (2019年10月23日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - とっても儚くて素敵なお話だと思います!更新頑張ってください! (2019年10月21日 17時) (レス) id: 39433c79c4 (このIDを非表示/違反報告)
Sui(プロフ) - さといも。さん» ありがとうございます (2019年10月18日 21時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - あ、まってすきです (2019年10月15日 20時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sui | 作成日時:2019年10月1日 19時