“漆黒の姫”とDEAD APPLE【文豪ストレイドッグス】

・白虎・ ページ23

＿＿＿…

『死神』と『夜叉白雪』が鎌と刀を構えて飛び出した｡姿勢を低くして澁澤に向かって駆け出す｡

澁澤もまた､燃えたぎる瞳を輝かせて駆け出した｡

『夜叉白雪』､『死神』と澁澤が激突する｡
白刃が空気を掠め､澁澤の手で叩きおられる｡


｢力も異能も敵わないとか…無理ゲーじゃん｣


けど､諦める選択肢なんてない｡
それは芥川も鏡花も同じ｡


｢お前を倒して､仇を打つ…！そして､この街を守る！｣


私は再び起き上がり､澁澤に向かっていく｡


澁澤｢矢張り君は母親にそっくりだ！！彼女も最期まで諦めることをしなかった！｣


私の鎌は簡単に受け止められる｡

それから繰り出される､膝蹴り｡


｢ぐっ…異能力『舞姫』！｣

澁澤｢無駄だ！！｣

またもや､瓦礫の中に飛ばされる｡


澁澤｢私は既に死んでいる｡死人に精神操作は効かないぞ｣

｢ｶﾊｯ…｣


何度も蹴られ､殴られ､瓦礫にぶつかる…

骨は絶対折れてる｡臓器だって､損傷しているだろう｡

芥川の『天魔纏鎧』も解ける｡
『死神』､『夜叉白雪』も澁澤に蹴り飛ばされ､瓦礫で生き埋めにされる｡残ったの鏡花だけ…


｢っ！！｣


私はボロボロの体を再び起こし､鏡花に向かって走る


澁澤｢君達の生命の輝き…たしかに受け取った｣


澁澤が身構える鏡花に襲いかかる｡


澁澤｢あとは私の蒐集品として生きるがいい…｣


澁澤は自分の手を変形させ､ナイフのように伸ばす｡

このままじゃ間に合わない…！！


｢鏡花っ！！！｣


名前を呼んだその時､何処からか青い閃光かま降ってきた

澁澤が其方に反応する｡
然し､澁澤が身構える前に閃光は澁澤にぶつかり轟音をあげた｡

衝撃波で地面が抉れる｡爆風にも似た強い風を受け､私は咄嗟に目をつぶった｡

土煙がおさまり､目をあけると鏡花の前に居たのはしなやかで逞しい白い獣＿白虎の影だった

直撃に耐え､一旦距離をとった澁澤が唇を歪める｡


澁澤｢“龍虎”たはよく言ったものだ｡君の存在を私に告げた露西亜人は言った｡龍が異能の持つ混沌本来の姿だ､と｡ならば＿白虎を纏う君は､全ての異能に抗う者だな｣


白虎の影が青く光り､人の形になる｡


芥川｢人虎め､ようやくか｣

｢彼も､私と同じで何かを振り切ったみたいね…｣


立っているのは間違いない｡
敦君だ｡

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