“漆黒の姫”とDEAD APPLE【文豪ストレイドッグス】

・同時刻・ ページ15

＿＿＿…
同時刻＿

中也side

とあるヤツから呼び出され､俺は政府の建物に来ていた｡
見張りの奴らであろう､役人共をぶっ飛ばしながら通信室に向かう｡俺を呼び出した奴はそこにいるはずだ｡

ここか…

俺は通信室のドアを蹴り開けた｡


中也｢電話一本で俺を出前みてえに呼び出すとは､いい度胸じゃねえか｣


周りの役人共と違い､少し高い場所で指揮を取る教授眼鏡＿元ポートマフィアの作戦参謀というのは任務の顔｡本当はマフィアに潜入していた政府の諜報だ｡


安吾｢ここは政府の施設ですよ｡こんな事してただで済むと思っているんですか｣

中也｢ただで済むかどうかを決めるのは俺だ｡手前じゃねぇ｣

安吾｢貴方は僕に仮がある筈ですよ｣

中也｢それは手前の方だろ｣

安吾｢…なんの話ですか｣


眼鏡に光が反射し､此奴の表情は見えずらい｡


中也｢とぼけるんじゃねえ､俺が何も知らないとでも思ってるのか＿六年前の話だよ！｣


此奴は目を細めるだけで､何も言わない｡ふざけんじゃねえ…


中也｢だから手前はダメなんだ…！｣


此奴の態度に腹が立ち､壁を殴りつける｡破片が零れ落ちる｡


安吾｢何がですか｣


それでも此奴は表情1つ変えねえ｡とことん腹立つ奴だ


中也｢六年前の龍頭抗争で何十人も殺した澁澤…その裏で糸を引いてやがったのが､手前ら役人だろうが｣


六年前＿あの日は決して忘れる事が出来ない最悪の日｡


中也｢お題目は街全体を巻き込んだ抗争を止める為だ｡その為に澁澤を抗争に投入した｡だがヤツの頭に秩序維持なんてハナからねぇ｡死体の数を増やしただけだ｡

それでも手前ら政府がヤツを守り続けたのは､ヤツが“国家規模の異能侵略”に対抗しうる貴重な異能者だからだ｡だからヤツが国外で死体をいくら作ろうと､目を瞑るどころか尻拭いの証拠隠滅までする始末…泣ける話だぜ｣


皮肉を込めて､教授眼鏡を嘲笑する｡教授眼鏡は何も言わない｡そりゃそうだ｡俺が言った事全て事実だから否定できないんだ｡

龍頭抗争の事はAと隅から隅まで全て調べあげた｡

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