“漆黒の姫”とDEAD APPLE【文豪ストレイドッグス】

・『死神』と・ ページ14

＿＿＿…

途端に､意識がハッキリし始めて…目を開けると､元の景色だった｡

敦君の姿は見えない


手には､私の背丈程の鎌｡
背中の傷の痛みもない｡
腕に違和感を感じ､見てみると…昔､お母さんが『死神』を私に譲渡する前に付けていた黒いブレスレット｡確かこれ…遺品整理しても出てこなかった…


“契約の印だ”


頭に聞こえる､低めの声｡
初めて聞く声だけどわかる｡
『死神』の声だ


｢契約って事は…代償とかあるの？｣

“ない｡強いて言うなら､これから先､死ぬまでもしくは血筋に譲渡するまで共に生きるということだけだ”

｢そういう事ね｡わかった､私はこれから先ずっと貴方と生きていく｡これが､私の応えよ！｣

“貴様なら､そう言うと思っていた｡何せ､美夜の娘だからな｡
我もここに誓うぞ｡貴様と共に生き､あらゆる厄災から身を守ろう”

｢さぁ､私達の初仕事…お母さんの仇を打つ｡行くよ！！｣

“言わずとも分かっている｡彼女にも大変面倒を見てもらった｡全力で獲物を狩るぞ”

｢えぇ､もちろん｣


私は鎌を握り直し､骸砦に向かって駆け出した｡


待ってろ､澁澤｡

“今宵こそ”

“｢お前の息の根を止めてやる｣”

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