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「……なんのことですか？」
「とぼけんな」
あれま、とぼける作戦失敗かあ。そりゃそうやんな、なんの証拠もなくこんなふうに刑事が疑うわけないし。
「……そうですよ、僕は彼女と２人で飲みに行ったんです」
「それだけか？ 拉致したんちゃうんか」
「拉致？ なんですかそれ」
「じゃあ、お前と彼女の関係は」
食い下がるということは、僕が彼女を連れ去ったという証拠はないということか。Aちゃん、誰にも僕のこと言ってへんねや。やっぱり、優しい子やなあ。
「お友達です。たまたま路上ライブに来てくれてね。すぐにお友達になったんですよ」
「狙って彼女と知り合ったんちゃうんか」
「……なんでそんなこと言うんですか」
「お前は、彼女が異犯のメンバーやと知って、近づいた。違うか？」
この男、僕がSであることを調べたようだ。
異犯資料室には、出生後検査で引っ掛かったSの名簿が眠ってると聞いた。
よって、僕がSであることも、どんな能力を持つのかも、全て彼らには筒抜けだ。
「理解者求めて何が悪いんですか。刑事さんだって、S以外の人に心開けないでしょ」
「それで、アイツ拉致したんか」
「だから、拉致してないって」
必死に僕がボロを出すよう粘るこの人を見て、あることに気づいた。
「刑事さん、Aちゃんのこと好きでしょ」
「は？」
不意を突かれて、一気に動揺する彼の姿に、言ったことが真実であると確信する。
「そんな冗談言えるんやったら、事件のこと話せるやろ」
「……はぁい」
「犯人は、この男で合ってるか」
そう言って見せられたのは、斗亜の写真だった。
「はい」
「こいつとは、なんの関係があんねん」
「関係なんかないっすよ。いきなり、炎放射されて……ほんま、迷惑っすわ」
「嶋��は、誰かと一緒やったか」
「さぁ。僕が見たときは１人でしたけど」
いくらなんでも、僕が斗亜の逃亡の支援者だとは考えないだろう。僕は斗亜に焼かれてるんやから。
もしかして、勝手にAちゃん拉致したこと、組織が怒って……。確かに、厳密に言うと僕は組織の人間ちゃうし、死んでも構わへん立ち位置やけど。
「……じゃあ、部下たち戻すから、詳しい話はあいつらにしてください」
そう言って、藤原丈一郎は席を立った。
僕の一言で動揺してしまい、話を聞くことすらままならないということか。
そのまま彼は去り、呼び戻された部下たち３人が、事務的に色々なことを尋ね始めた。
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とあ(プロフ) - ぽん酢さん» そんな風に言ってくださって嬉しいです！ 頑張って続き書きますね！ (2020年8月31日 18時) (
レス) id: 697481dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ 頑張りますね！ (2020年8月31日 18時) (レス) id: 697481dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん酢(プロフ) - 更新ありがとうございます！このお話1番ハマっていて今日もまた1から読み返しちゃいました…(笑)星何回も押したいくらいです！お時間がある時また更新お待ちしてます(^^) (2020年8月30日 16時) (レス) id: 954d7c587f (このIDを非表示/違反報告)
すず - この作品いつも読ませて頂いてます！ホントに面白くて大好きです。無理のないように更新待ってます！頑張ってください！ (2020年8月16日 17時) (レス) id: 9182a87b37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - とあさん» お返事ありがとうございます！楽しみにしています！ (2020年7月23日 22時) (レス) id: 1ca1725196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とあ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Yoshikosan0313
作成日時：2020年7月5日 18時
