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「お前、なにしてるん」
1年前、学校帰りに急に雨が降ってきた。
大粒の雨が降り、頭上の屋根に当たって大きな音を立てている。止みそうにない雨に心を蝕まれていたそのとき、彼がやって来た。
「傘ないんか」
コクリとうなずくと、何も言わずに人差し指を立てて私をバーに招いた。
ガチャリと店の扉が締まると、雨音はほとんどしなくなった。さっきまでずっと鳴っていた音が突然なくなったので、なんか耳が変な感じだ。
「ん」
無言で渡されたのは、タオル。軽く感謝を伝えて髪を拭いていると、彼がカウンターの向こう側へ行った。
電気が一切付いていなくて、店内がどんな内装なのかは、よく分からなかった。でも、彼がカウンター付近の照明を一つつけると、一気に全貌が見えてくる。
奥のテーブル席近くの壁には、なんと書いているかはわからないが、アルファベットが描かれている。ちょっと、大人な感じだ。
「自分、高校生？」
「はい」
「老けて見える」
「は……？」
「あ、大人っぽいって意味な」
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作者名：とあ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Yoshikosan0313
作成日時：2020年6月29日 22時
