十八話【十二日月/尼伊月/味噌田楽】 ページ22
「尼伊月。無惨からの呼び出しだ。
速く来い。」
「あ"?」
思わず柄が悪くなった。
急に現れた日弦の伍、月夜から、無惨からの呼び出しが来たと告げられた。
「意味わかんない、なんで急に?嫌なんだけど。」
「だが無惨からの命令だ。」
行かないと首が飛ぶぞ。
そう言った彼女は鮮やかな緑の髪を揺らし、私な近づいた。
一息付き、自慢の濡羽色の髪をがしりと掴み、ほら、行くぞと引っ張ってきた。
「ちょっと、痛いんだけど。止めてくれない?」
私もその腕をがしりと掴み、ぐっと力を入れた。
すると彼女はすっと顔を歪め、そっと溜息を吐いた。
「好い加減我儘は止せ、もういい歳だろう。」
「余計なお世話なんですけど、あの子に無駄に反発している貴女に言われたくない。」
イライラとしているのか、尼伊月のこめかみがぴくぴくと痙攣した。
「行くからもう少し待ってよ、こいつら片付けてからね。」
「....今すぐ。」
その言葉に、尼伊月苛立ちをオープンにして、思い切り顔を歪めた。
「...何?あの子機嫌悪いの?」
「いや、別に。ただ焦ってた様だったから。」
「あっそ。仕方ないな、なら行くよ。」
手のひらを返したように、尼伊月はするりと背を向け、琵琶の音と共に去った。
そこには、呆然とする隊士達の姿のみが残っていた。
十九話【日光隊/光屋敷天/リーのアニメ部屋】→←十七話【十二日月/月夜/夜伊良】
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:日光隊&月光隊&十二日月 x他2人 | 作者ホームページ:無し。
作成日時:2020年6月6日 11時